本日の見通し(為替) ドル円の買い戻し先行を予想も、警戒感は残る

2013/06/14  0849

 

昨日のNYタイムでは、東京タイムで大きく進んだ円高の巻き戻しが優勢となった。米小売売上高や米新規失業保険申請件数が強く、米経済の先行きが引き続き 楽観視されたことも背景として米株式市場が堅調に推移し、ドル円・クロス円は買い戻しが優勢となった。ドル円は93.75円を安値に95円前半まで下げ幅 を大きく縮小した。クロス円も、豪ドル円は92.21円、NZドル円は77.41円の高値をつけたほか、ユーロ円は127円半ば、ポンド円は150円ちょ うど前後、加ドル円は93円後半まで巻き戻した。また、ユーロドルは強い米経済指標を受けたドル買いのほか、対ポンドや資源国通貨でユーロ売りが続いたな かで、1.3279ドルまで反落したが、1.3380ドル付近まで再度ユーロ買い・ドル売りとなり、豪ドル/ドルは0.9660ドル、NZドル/ドルは 0.8112ドルまでオセアニア通貨の買い戻しが進んだ。

東京タイムでの円相場は、日経平均の動向をにらみながらの展開が続いている。その日経平 均は、米株の上昇を受けて反発する可能性が高く、ドル円は買い戻しが優勢になると予想されるが、下値警戒感も強く上値も限られそうだ。昨日のドル円は、日 経平均の前日比800円以上の急落が嫌気され、日銀が「異次元金融緩和策」を発表した4月4日以来の安値となる93.75円まで下落したが、日経平均先物 や米株の反発を好感し、NYタイムは95円前半まで切り返した。最近の下落には行き過ぎ感も浮上しているが、足元では依然として下値不安が強い。日経平均 の不安定な動きに加え、米出口戦略の不透明感や一部の新興国の動揺などを背景に円売りを進めにくい状況である。来週18-19日の連邦公開市場委員会 (FOMC)を見極めるまで神経質な展開が続きそうだ。本日の閣議で、「日本再興戦略」と名付けた成長戦略が決定される見通しだが、織り込み済みの内容で 為替相場への影響は限られそうだ。