本日の見通し(為替) 今週は、FOMC出口戦略の見極め

2013/06/17  08:49

 

先週末の海外市場では、円が一段高。この日発表された5月の米鉱工業生産・設備稼働率が弱く、6月の米ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値も市場予想 を下回ったなかで、国際通貨基金(IMF)が2014年の米経済成長見通しを下方修正し、株安・円買いのきっかけになった。ドル円やクロス円は一段安。ド ル円は93.98円、ユーロ円は125.18円、ポンド円は147.42円の安値をつけた。IMFが14年の米成長率見通しを+3.0%から+2.7%に 下方修正したことは、株安経由での円買いを誘った。77円前半まで切り返していたNZドル円も75.60円の安値をつけて、豪ドル円も90円前後まで下落 した。また、ユーロドルは1.3295ドルまで下落した後、1.33ドル半ばへと切り返したほか、NZドル/ドルは0.8139ドルまで上昇し、5月29 日以来の高値をつけた。

本日の東京市場では、先週末の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円は上値の重い展開となるか。ボラティリティが高い状況が続 くなかで、不安定な日経平均を眺めながらドル円が下値を切り下げる可能性もありそうだ。先週のドル円は、10日の99.29円を高値に13日、日経平均の 900円近い暴落を背景に日銀が「異次元緩和策」を発表した4月4日以来の安値となる93.75円まで下落した。今週の一番の注目材料は、18-19日の 連邦公開市場委員会(FOMC)、その後に予定されているバーナンキFRB議長の会見だ。FOMCで資産購入プログラムの縮小が協議されるか否か、そし て、バーナンキFRB議長が出口戦略に言及するか否かを見極める展開となる。5月22日、バーナンキFRB議長は「雇用情勢が改善されるなら、量的金融緩 和策は縮小する可能性はある」と議会で発言し、これが株安やドル安・円高のきっかけともなった。米量的緩和の縮小をめぐり揺れているマーケットに対して、 米当局者が何らかの措置を講ずるかも注目したい。また、17-18日には主要8カ国(G8)の首脳会議が予定されており、会議では各国の経済政策が議論さ れる見通しだ。