NY為替概況(2日) ドル円99円割れ 期待外れの米雇用統計

2013年08月03日 09:27

 NYタイムは弱い米経済指標が市場のムードを悪化させた。米緩和縮小観測の後退から、為替はドル売り・円買いで反応した。米雇用統計では、非農業部門雇用者数(NFP)が+16.2万人と市場予想の+18.5万人を下回り、前月分も下方修正。失業率は前月から2ポイント改善し、2008年12月以来の水準7.4%まで低下して、米労働市場の緩やかな改善傾向は維持された。しかし、今週発表された雇用関連指数がおしなべて強かった分、期待度が相応に高まっていた。その後に発表された米6月製造業受注指数も弱かった。この日に講演を行ったブラード米セントルイス連銀総裁は記者の質問に対し、失業率が低下したことから「(雇用統計は)基本的には良いニュース」と述べ、「やや弱めに設定したターゲットへ確実に近づいている」との見解を示した。バーナンキFRB議長は、おおよその見通しとして来年半ばの7%水準への到達に言及していたという。だが、同発言やブラード総裁の講演内容に対して、為替は目立った反応を見せていない。
 ドル円は、雇用統計の発表前に期待感から一時99.96円と、7月25日以来、約1週間ぶりの100円台回復に迫った。しかしさえない結果が発表され98.90円まで急落。いったん戻りを試したものの、ストップロスの売りも巻き込んで98.66円まで下落幅を広げた。先月31日の米FOMC後、ドル円は目立った押し目もないままに買い進まれていただけに、週末前の修正がドル売り・円買い方向で急速に進んだ。またユーロドルは一時1.3295ドル、ポンドドルは1.5310ドル、ドル/スイスフラン(CHF)は0.9274CHFまで対ドルで上昇した。
 クロス円は、ユーロ円が131.10円、豪ドル円が87.92円、NZドル円が77.21円まで安値を更新。加ドル円も95.10円まで売られた。ドル円の下落で円の買い戻しが強まった格好。ポンド円は米雇用統計後の対ドルの動きにあわせて151.60円を示現し、下押しも151円前半までで底堅かった。英7月建設業PMIが2010年6月以来の水準まで上振れ、英追加緩和の可能性が後退していたことが、ポンドを対円でも支援した。
 一方、資源国通貨は対ドル・対円でともに軟調。米雇用統計発表直後のドル急落局面では、豪ドル/ドルが0.8971ドル、NZドル/ドルは0.7936ドルまで急騰したものの、その後は豪ドル/ドルは0.8870ドル、NZドル/ドルは0.7816ドルまで短時間で下落。米株安も重しになっており、足元の弱い地合いが意識され、戻り売りも強かった。豪ドルにとっては、来週の豪準備銀行(RBA)理事会において政策金利の引き下げが確実視されていることも、引き続き圧迫材料となっているようだ。
 6時現在、ドル円は98.96円、ユーロドルは1.3280ドル、ユーロ円は131.35円で推移。