NY為替概況 ECBへの警戒もありユーロは売り加速 ドル円は水準をかろうじて維持

2014年03月28日 06:16

きょうのNY市場、ドル買いが優勢となる中、ユーロドルは売りが強まり、一方、ドル円は水準維持といった動き。
 
この日発表になった米GDP確定値や新規失業保険申請件数は好調な内容でFRBの緩和縮小姿勢を裏づける内容となった。しかし、それ自体の反応は限定的で、全体的には材料難といった雰囲気も出ている。
 
そのような中、ユーロドルは売りが強まり、強固なサポートとなっていた1.3750を下回って来ている。テクニカル的にも下向きのサインを強める動き。
一部では来週のECB理事会を睨んだ動きもあるとの指摘も出ている。前回の理事会以降、早期緩和期待が後退し、ユーロは買いが優勢となった。ドラギ総裁の理事会後の会見が失敗し、市場の動きがECB理事が望んでいた状況にはなっていないとの指摘も聞かれる。現に直近のECB理事の発言は、追加緩和の可能性を強調したハト派トーンのものが多く見受けられる。特にECB理事の中ではタカ派としてしられるバイトマン独連銀総裁の発言は、場合によっては量的緩和を許容するトーンに変化していたようにも思われ、市場関係者の驚きを誘っている。
来週の理事会では特に政策変更はないものと見られるが、よりハト派色を強め、米、英の金融政策のスタンスとの違いを際立たせてくるのではとの期待も出ているようだ。
 
一方、ドル円は102円台前半での推移が続いている。日本時間1時のロンドンフィキシングにかけて102円割れを試す場面もあったが、かろうじてサポートされている。
ウクライナ情勢への懸念が再燃しており、きょうの東京時間には一時101.75付近まで下落していたが、102円台に戻している。
日銀の追加緩和期待が市場では根強く、なかには消費税増税の悪影響に先手を打つため、早ければ4月にも何らかの緩和策を打ち出すのではとのサプライズ期待もあるようだ。可能性はまだ小さいとは思われるが。
いずれにしろドル円は、今のところ下へのレベルシフトは回避されている格好となっている。ただ、上値が重いことには変わりはない。