NY為替概況 米雇用統計への期待強まる FOMC議事録の反応は複雑
2014年01月09日 06:58

きょうのNY市場、この日発表になったADP雇用統計が強い内容となったことで、週末の米雇用統計への期待感が強まっている。為替市場ではドル買いが優勢となった。ただ、株価が軟調だったことから円安の動きまでは見られていない。
また、この日はFOMC議事録が発表されたが、市場の反応は複雑。QE継続の効果には懐疑的な見方も多く、年内の終了を支持する見方も多かったが、一方で縮小は用心深く進めること望んでいる。フォワードガイダンスに関しては、現在の失業率とインフレ率基準の維持を支持していたようだが、一部には失業率基準の6%引き下げの主張もあったようだ。多くが低インフレを懸念していることも示されていた。
一部報道では友好的決定だったとの予想も出ていたが、思ったほどでもなく、市場は消化しきれなかったものと見られる。
ドル円は一時105円台に上昇。ただ、上値の抵抗も強く伸び悩んでいる。105円台を試すには米雇用統計を確認してからといったところなのだろう。ムーディーズではきょうのADP雇用統計から推計すれば、米雇用者数は23万人増になるのではといった予想も出ていた。必ずしも、ADPと米雇用統計が一致するとは限らないが、期待感を高める数字であることには間違いはなさそうだ。
一方、ユーロドルは1.35台半ばまで一時下落し、下向きのモメンタムが更に強まっている。1.35台半ばには100日線が来ているが、7月以降は調整局面でも100日線はサポートされてきた。今回はどうなるか注目されるが、明日以降の重要イベントを受けての反応次第といったところのようだ。
明日はECB理事会が予定されている。政策の変更はないとの見方が大勢で、注目はドラギ総裁の会見ということになるが、これまで通り、景気の下振れ懸念や低インフレは指摘されるであろうが、早期の追加緩和に関しては慎重姿勢を示すことが予想される。特に想定範囲を超えた内容にはならない可能性が高い。
ポンドは強い動き。対ユーロでのポンド上昇が続いており、ユーロ/ポンドは12月安値を更新している。今年のメインシナリオはドル高・ポンド高だが、きょうはそのシナリオに沿った動きと言える。
ただ、昨年来の英景気回復は内需を中心としたものだが、更に回復を安定的するためには輸出増が欠かせない。英国の輸出は対EU域内が約半分を占めており、ポンド高・ユーロ安の動きは英国の輸出にとっては大きな障害となる。先日の英中銀議事録では「ポンド高の継続は需要のバランスを損なうリスクを高める」と言及していたが、現状の動きに英中銀は更に頭を痛めそうだ。
明日は英中銀の政策委員会(MPC)も予定されている。政策変更は特に無しとの見方が大勢。英中銀は通常、政策変更がない場合は声明は発表しないが、年始ということもあり、MPC後に声明が発表されるのではとの見方も一部で出ており注目される。
