NY為替概況 米雇用統計は予想下回るも、ドル円堅調

2014年02月08日 07:01

きょうのNY市場、この日発表になった米雇用統計で非農業部門雇用者数(NFP)が予想を下回り、発表直後はドル売りが強まる場面も見られた。ただ、それは一時的な動きに留まっている。
 
きょうの米雇用統計は非農業部門雇用者数(NFP)は11.3万人増と予想(18万人増)を大きく下回った。ただし、FRBにQE縮小路線の変更を強いる内容とまでは言えない。
 
寒波の影響もあっただろうが、影響を受けやすい建設部門は大きく増加しており、どの程度影響したかも判断がつきにくい。ただ、失業率は1ポイント改善し6.6%に低下し、フォワードガイダンスの基準値としている6.5%に迫っている。失業率算出のデータとして使用している家計調査では、雇用者数が増加し、労働参加率も63%に改善している。この辺は明るい材料と言えよう。悪天候の影響なのか、それとも雇用改善が失速してきているのか、FRBも判断するにはもう少し情報が必要といったところなのではとも思われる。
 
きょうの米雇用統計はQE縮小路線までは影響はなさそうだが、やや気掛かりといったところ。
 
ドル円は指標発表直後に101.50近辺まで下落する場面も見られたが、その後、押し目買いも入り102円台に戻している。102.50より上は重そうだが、102円台は維持されている。このところ高まっていた新興国への懸念も落ち着いてきており、米株や原油が大幅に上昇していたことで円安の動きがサポートしたようだ。他のユーロ円やポンド円も堅調。
 
来週はイエレン新FRB議長の議会証言が予定されている。もともとイエレン議長は雇用が専門で、ハト派色が強い。QE縮小路線には変更は無さそうだが、今回、前回の米雇用統計から、慎重姿勢は堅持すると思われる。市場では、FRBは年央までは100億ドルづつの縮小に留めるのではとの見方も出ている。
 
一方、FRBはフォワードガイダンスで、ゼロ金政策(ZIRP)の基準値として失業率6.5%を表明している。きょうの米雇用統計では失業率が6.6%まで低下してきているが、この基準値をどうするのか、変更するとすればどう変更するのか、QE縮小よりもむしろ、こちらのほうが先に注目となるのかもしれない。