NY為替概況 米指標が弱く円安の動きも一服 明日以降のイベントへ
2014年03月06日 06:52
きょうのNY市場、ウクライナ情勢への懸念も一服しており、円売りが優勢でNY時間に入ってきたものの、この日発表の米経済指標が弱い内容だったことから、その動きも一服している。
ドル円は102円台半ばまで上昇していたものの、102円台前半に伸び悩む動き。一方、ユーロドルは1.37台前半での上下動となった。
ウクライナ情勢はまだ予断は許さないが、軍事衝突という最悪の事態は避けられそうな気配となっている。このような中、為替市場は明日のECB理事会、明後日の米雇用統計に焦点が移りつつある。
米雇用統計については、この日発表になったADP雇用統計やISM指数が弱い内容だったことから、警戒感も出ており、予想を下方修正する向きも出ているようだ。特にISM指数は雇用が大幅に低下し、判断の分岐点である50を下回っていた。ただ、米雇用統計とそれらの指標が必ずしも動向が一致するとは限らない。2月も寒波が襲来していたことから、強い内容は期待できないが、米雇用統計ばかりは開いてみないと分からない指標の一つでもある。
一方、ECBに関しては緩和期待は根強いものの、今回は政策を据え置き、ECBは手段を温存させるとの見方が有力。ただ一方で、短期金利上昇やユーロ高けん制のために、債券購入プログラム(SMP)で市場に流した流動性を吸収するための不胎化措置を停止する可能性はあるとの見方も出ている。どうなるか行方をつかみづらい部分も多く、ユーロはポジションを取りづらい状況にあるようだ。
その他、この日のカナダ中銀声明を受けて加ドル買いが優勢となった。声明はハト派のバイアスを踏襲しているものの、前回よりはややハト派色が弱まったとの見方も出ている。為替に関する文言が削除されていたことも加ドルをサポート。カナダ円は92円台後半まで一時上昇している。