NY為替概況 米指標が弱くドル売り優勢 一方、円安は継続
2013年11月16日 07:00
きょうのNY市場はドル売りが優勢となった。この日発表になったNY連銀指数や鉱工業生産が予想外に弱い内容となったことで、ドル売りが優勢となっている。
前日の公聴会で次期FRB議長に指名されているイエレンFRB副議長は景気への配慮を滲ませ、緩和姿勢の継続を強調していたが、きょうの指標はその姿勢を裏づける内容となった。
ユーロドルは買戻しが強まり、一時1.35台に乗せる場面も見られた。ただし、維持できずに伸び悩んでいる。1.3500は心理的節目であることはもちろんだが、10/25~11/7の下降波のフィボナッチ38.2%戻しの水準でもある。今週に入ってユーロドルはリバウンドの動きが出ているが、リバウンドの第1関門である38.2%戻しの水準を突破できるか注目される。ただ、いまのところは抵抗も強いようだ。
一方、円安の動きは続いており、ドル円、クロス円は堅調な動きを継続している。弱い米指標からドル円は伸び悩んだものの、100円台はしっかりと維持。実需売りや短期筋の利益確定売りも出そうな水準ではあるが、海外のファンド勢中心に買いが断続的に入っているようだ。目先は9月高値の100.60付近が上値メドとして意識されるが、この水準を完全に突破し101円台を固められるようであれば、年初来高値の103.50水準の回復も視野に入りそうだ。
ポンド円が3日大幅に続伸しており161円台まで上昇している。一時161.65付近まで上昇し2009年8月以来の高値水準を更新。円安の動きはもちろんのこと、ポンド自体の強い動きもあり、ポンド円には二重の追い風が吹いている状況。足元は過熱感も否めない状況ではあるが、上値へのモメンタムは高まっている。
きょうはウィール英中銀委員の発言がNY時間に伝わっていたが、英成長のスピードは英中銀の予想以上に早い可能性を指摘していた。英中銀も今週発表したインフレ報告で利上げ開始のメドとしている失業率7%の達成時期を、これまでの2016年第4四半期から2014年第4四半期に2年間前倒ししている。もともと見通し自体がハト派過ぎとの意見も多いが、実際に英中銀が前倒ししたことはポンドにとって大きな追い風となっているようだ。
市場は2015年第1四半期に利上げ開始との見方で推移しているようだが、あくまで状況次第であり、インフレ等の経済指標によっては、メドとしている失業率7%を6.5%に修正して低金利姿勢を維持する可能性のほうが有力との見方も出ている。