NY為替概況 新興国懸念再燃で円高の動き FOMCへの反応は限定的
2014年01月30日 06:59

きょうのNY市場は円高の動きが強まっている。今週に入って落ち着いていた新興国市場への懸念が再燃した。
トルコ中銀が極端に大幅な利上げを実施し、南ア中銀も0.5%の利上げを実施した。通貨防衛とインフレ抑制が目的だが、きょうのFOMCを控えた行動なのかもしれない。一旦は市場はポジティブに捉えたものの、動きは続かず、逆に反作用的に新興国通貨は売りを強めている。
これまでにもよく見られた展開だが、新興国中銀の大胆な利上げに、市場は逆に不安感を強めたのかもしれない。
また、FOMCでは予想通りQEの100億ドル縮小が決定された。国債を350億ドル、MBSを300億ドルの月間計650億ドルに縮小している。新興国にとってはネガティブな決定ではあるが、ある程度、織り込んでいたところもあり、FOMC結果発表後の動きは小幅な反応に留まっている。
一部では新興国の配慮からFRBは緩和縮小を見送るのではとの見方あったようだが、きょうのFOMCの決定からも、FRBのQE縮小は既定路線ということのようだ。ただ、これは米経済が回復している証でもあり、世界経済にとっては決してネガティブな話ではない。FRBの政策転換に伴う新興国からの資金流失は既に想定されていたことでもあり、ここは乗り切ってもらうしかないということなのだろう。
ドル円は一時101円台に下落し、今週の安値に顔合わせしたが、サポートされ102円台をかろうじて維持している。
一方、ユーロ円は一時139円台前半まで下落。きょうの下げで11/7-12/27の上昇波のフィボナッチ38.2%戻しの水準(140.15付近)を再び下回って来ており、調整の動きは継続しているようだ。目先の下値メドとしては、上記フィボナッチ50%戻しの水準が138.45付近にあり意識される。38.2%戻しの水準を完全にブレイクするようであれば、50%の水準に到達する可能性は高く、明日以降の動きは注目となる。
ユーロドルは1.36台で上下動。1.37台は重い印象。
NZ中銀は政策金利の据え置きを決定した。大方の予想通りではあったものの、NZドルは売りが強まっている。一部には利上げ予想もあったことや、住宅市場の落ち着きを示したこと、更にNZドル高は持続しないといった声明が売りを誘った模様。ただし、早期の利上げの可能性は示唆している。NZドル円は83.50近辺まで下落した。
