NY為替概況 ウクライナ情勢の緊迫化でドル円はパターン崩す動き

2014年03月01日 06:58

きょうNY市場、ドル円はウクライナ情勢の緊迫化もあり、このところのパターンを崩す動きとなった。
 
ロンドン時間に発表になったユーロ圏消費者物価を受けユーロが強い動きをしていたことから、全体的にドル売り優勢だったものの、ドル円はこの日発表になったシカゴPMIが堅調な内容だったことから序盤は買戻しが優勢となった。米株も堅調に推移する中、ここ数日見られている、NY時間に入るとドル円が買い戻されるというパターンが見られていた。
 
しかし、終盤になって、ウクライナ情勢の緊迫化が伝わったことから、ドル円は失速。ツイッターでロシア軍がクリミア半島への上陸を計画しているとの観測が流れた他、トゥルチノフ現ウクライナ大統領が「ロシア兵2000人がクルミア半島に送られている」などと述べたことで、リスク回避的な雰囲気が強まった。ドル円の支えとなっている米株が急速に上げ幅を縮める中、102.25近辺まで戻していたドル円も101円台に値を落とした。
 
一方、ユーロドルは本日の高値圏での推移が続いた。ユーロ圏消費者物価の速報値を受けて買い安心感が強まっている。前日発表のドイツの消費者物価が弱かったことで、きょうの指標はかなり警戒感も出ていただけに、ポジティブサプライズとなったようだ。
 
来週のECB理事会の動向を占ううえで、きょうの消費者物価は注目されていたが、きょうの消費者物価を受けて、ひとまずECBは据え置くのではとの期待感が市場では高まっている。
 
ユーロドルは一時1.3825付近まで上昇。ただ、1.38台前半の水準は、昨年10月以降上値を拒み続けて来た水準だけに、きょうのところは敬意を払った格好。ただ、この水準を突破できれば、1.40台が視野に入る。
 
なお、この日発表の10-12月期の米GDPは大幅な下方修正となったが、予想範囲内だったこともあり反応は限定的。1-3月期は寒波の影響もあり期待薄なものの、4-6月期から米成長は回復基調に戻るとの期待感が根強い。
 
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