NY株見通し 材料不足のなかでもダウは高値更新なるか
2014年03月10日 20:53
今週は雇用統計の通過後で材料不足となるが、ショートカバーが指数を支える展開が予想される。株主還元策や企業買収絡みなどのニュースが積極的に消化されている。ダウ平均は25日移動平均線が上昇に転じたことで、NASDAQやS&P500に対する出遅れを解消する動きが予想され、12/31高値(16576ドル)に迫る場面がありそうだ。
一方、ウクライナ情勢は安定した様に見えるものの、一時的な休戦状態であり改善はしていない。米10年債利回りが2.7%前後から大きく離れる気配がないのも、景気リスクにせよ地政学リスクにせよ、何かを一部で織り込んでいる可能性はある。シティグループが発表している米国のエコノミック・サプライズ指数は最近マイナスに転じた。マイナス圏は市場予想を下回る経済指標が続いていることを示す。すべてのケースではないものの、同指数がマイナスに転じるとS&P500は調整に入る過去の経緯があっただけに注意したい。
今週の経済指標では、米2月小売売上高(3/13)、ミシガン大学消費者信頼感(3/14)などが特に注目される。
7日のNY株式相場はまちまち。米2月雇用統計が市場予想を上回り、買いが先行したものの徐々に利益確定の売りに押された。また、米債券利回りの上昇やウクライナ情勢も相場の重荷となった。ダウ平均は前営業日比30.83ドル高の16452.72ドルで終了した。
米主要株価指数は買いが先行。注目された米2月雇用統計は、非農業部門雇用者数が17.5万人増と市場予想の14.9万人増を上回ったことが好感された。失業率は6.7%と前月の6.6%から上昇(市場予想:6.6%)だった。ただ、週末を控えた利益確定の売りに押されたほか、米10年債利回りが4営業日連続で上昇となったことや、ウクライナ情勢が依然として不透明であることなどが重荷となり、上げ幅を削った。
NASDAQは前営業日比15.90ポイント安の4336.22ポイント、S&P500は前営業日比1.01ポイント高の1878.04ポイントで終了。S&P500は連日の史上最高値更新となった。主要株価指数の週間騰落率は、ダウ平均が0.80%高、NASDAQが0.65%高、S&P500が1.00%高となった。