LDNFIX 円全面高 新興国への警戒感が再燃しリスク回避
2014年01月30日 01:00

ロンドンフィックスにかけては円が全面高。東京タイム早朝のトルコ中銀による想定以上の金利引き上げ措置に続き、南ア準備銀行(SARB)もこの日の会合で市場の据え置き予想に反して0.50%の利上げを実施。新興国で通貨安やインフレ抑制への対応が続くこととなったが、警戒感の後退を意識した流れが再び反転した。この後の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に量的緩和(QE)ペースの縮小がマーケットに与えるネガティブな側面を改めて浮き彫りにさせたことも考えられる。利上げを受けて一時対ドルで4%高近辺まで買われたトルコ・リラはマイナス圏へ反落。南ア・ランド(ZAR)も利上げ発表後に対ドルで瞬間的に上振れたものの、その後は2008年10月以来のZAR安・ドル高水準を示現した。円はリスク回避に伴う欧州株安や日経先物の下げ幅拡大、米金利低下などの流れのなかで買い戻しを強めていった。
ドル円・クロス円は大幅安。新興国の通貨安が鮮明になるなかで、ドル円は101.99円、ユーロ円は139.24円、ポンド円は168.87円、豪ドル円は89.12円、NZドル円は84.25円、加ドル円は91.59円、スイスフラン円は113.80円まで下落。下げ一巡後も米長期金利の低下や米株価の下落を眺めて戻りは限定的だった。
ユーロドルは上下。ユーロ円の下落に連れたほか、ノワイエ仏中銀総裁が講演で「いかなるユーロの上昇もネガティブな影響をもたらすことが明らか」とユーロ高へのけん制ともとれる発言をしたことを意識し1.3603ドルまで売りを先行させた。ユーロポンドも0.8220ポンド近辺までユーロ安で推移した。ただ、米金利低下に伴うドル安圧力が徐々に強まると、ユーロは対ドルでそれまでの下げを殆ど取り戻し対ポンドでも反発。またポンドドルはカーニーBOE総裁が「利上げを実施する前に回復に向けてやれることある」と市場の早期の利上げ期待を抑制したことで1.6526ドルまで下げ幅を広げる場面もあった。そのほかでは豪ドル/ドルが0.87ドル半ばを中心に上下。NZドル/ドルは翌早朝のRBNZの政策発表を控えるなか、利上げ期待もあって0.82ドル半ばから後半でしっかり推移した。
