LDNFIX ドル円やクロス円は失速、リスクテイクには慎重
2014年01月28日 01:20
ロンドンフィックスにかけてはドル円やクロス円の反発地合いが失速した。欧州の主要な株価が総じて明確にプラス圏を回復できなかったほか、反発して始まった米株価の上値も限定的だったことで、円売りは勢いを後退させていった。この日発表された米12月新築住宅販売件数が市場予想を下回り、前月分も下方修正されたことで、米長期金利が低下に転じたこともドル円やクロス円の重しとなった。
新興国に対する成長鈍化や資金流出に対する警戒感はいく分緩和した。中国では月末に償還を迎える予定の理財商品の債務不履行(デフォルト)に関する話題について、販売元の中誠信託が投資家と合意に達したとの通達を行ったことで当面の懸念が払しょくされる格好に。また自国通貨安が進んでいたトルコでは中銀が28日に緊急会合を実施することが明らかとなり利上げを含めた物価安定に必要な政策が決定されるとの見方がトルコリラの下落に歯止めをかけた。ブラジル中銀総裁がインフレの影響に対処する姿勢を示したことなどもリスク回避一色だった市場の流れに変化をもたらした。ただし、積極的にリスクを取り直す姿勢はみられず、ドル円・クロス円には足元の下落の反動以上の動きは見られていない。
ドル円は102.94円を戻り高値に、さえない米住宅データも重しとなって102.40円台まで反落。ユーロ円は対ドルの弱さにも影響を受け、ロンドンタイム以降のもみ合いレンジを下抜けて140円割れを示現した。ポンド円は170.54円から170円割れまで押し戻され、豪ドル円は90.09円、NZドル円は95.00円を高値にそれぞれ上げ幅を縮小させた。
対ドルはまちまち。ユーロドルは独Ifo景況感指数の好結果をつけて上昇した1.3717ドルを高値に、先週末安値を割り込む1.3653ドルまで下値を拡大。ユーロポンドでユーロ安が続いていたことが上値を圧迫。逆にポンドドルは1.6587ドルまで高値を更新するなど堅調。買い戻しが強まっていた資源国通貨は、豪ドル/ドルが0.8756ドル、NZドル/ドルが0.8262ドルまで上値を伸ばして下押しもわずかにとどめた。