LDNFIX ドル全面高、MPCやECBはほぼ無風で通過
ロンドンフィックスにかけてはドルが全面高。イングランド銀行金融政策委員会(MPC)や、欧州中央銀行(ECB)理事会はほぼ無風で通過したが、この日発表された米経済データのポジティブな結果が動意を強めた。MPCでは現行の金融政策が据え置かれたほか、ガイダンスについてのレビューを、7日の四半期インフレ報告時に発表するとした。またECBも政策を維持。ドラギ総裁の記者会見では、ユーロ圏の見通しに関して前回から大きな変化はなく、先月から導入したフォワードガイダンスに関しては、「『長期にわたり』に正確な期限はない」との認識を示した。
ドル円は上値のオーダーを次々に突破しながら、先月26日以来となる99円台を回復させると99.40円まで一段高。米新規失業保険申請件数は2008年1月以来、米7月ISM製造業景況指数は2011年6月以来の強い内容となった。ISMの内訳では、新規受注・生産・雇用などが前月から大幅に改善したことが明らかになった。この日は中国7月製造業PMIを皮切りに、ユーロ圏や英国の影響指数も総じて好感される内容で、アジア・欧州の株式市場は大幅に上昇。こうした流れを引き継ぎ、さらに米指標の結果が後押しとなって、ダウ平均やS&P500などの米株価指数は史上最高値を更新した。リスク選好的な流れが強まりやすい環境でもあったが、為替はドルが一辺倒で上昇。米・英・欧の金融政策イベントを通過し、来週には豪州や日本で中銀イベントが予定されている。今週発表された一連の米経済データがおおむね強い結果だったことで、明日の雇用統計への期待を高めながら、金融政策の方向性が改めて意識されてドル買いに傾いている印象もあった。米長期金利も2.68%台まで大幅に上昇した。
ドル高が進行するなかで、ポンドドルはMPC後につけた1.5246ドルから1.5132ドルまで反落。欧州タイムにおける、ユーロポンドでのポンド高に巻き戻しが入ったことも重しとなった。豪ドル/ドルは0.8907ドル、NZドル/ドルは0.7852ドル、ドル/加ドルは1.0331加ドルまで対ドルでの下値を拡大させた。ユーロドルは、米雇用指標の発表後に1.3193ドルまで安値を更新したが、対ポンドでの切り返しや、ECB総裁の会見内容にサプライズがなかったことで、1.32ドル半ばまでいったん持ち直した。ただ、ドル高地合いのなかで上値は伸びず、1.32ドル前半へと失速した。
クロス円は東京タイムからの円安基調に加え、ドル円の上昇が追い風となって、ユーロ円が131.45円、ポンド円が150.70円、加ドル円が96.33円まで高値更新の動き。ただ、豪ドル円は88円半ば、NZドル円は78円前半で、対ドルの動きに影響を受けて重く推移した。