NY為替概況 10日 米雇用統計受けドル売り、低調な結果との声
2014年01月11日 10:43
NYタイムはドル売りが優勢。市場の関心事だった米12月雇用統計は失業率は予想比低下となったものの、非農業部門雇用者数(NFP)がサプライズ的に弱い結果となったことが材料視され、米債利回りの低下とともに一気にドル売りが強まった。その後はいったんドルは買い戻されたものの、NFPの結果の余韻を引きずるなかでドル売り圧力は旺盛で、ドル円は下落幅を広げ、ドルストレートはドル売り・他通貨買いが優勢となった。なお今回の結果について欧州系FXストラテジストからは「失業率は低下したが労働参加率の低下によるもので、NFPは悪天候による一時的要因や前月分の上方修正を加味しても低調な結果」と指摘している。
ドルは売り一辺倒の展開。米雇用統計の結果発表後からドル売りが強まると、ドル円は相関性の強い米2年債利回りの低下も相まって103.83円まで下落。一方で、ドルストレートは、ユーロドルは1.3688ドル、ポンドドルは1.6517ドルへ上昇したほか、資源国通貨も総じて堅調に推移し、豪ドル/ドルは0.9005ドル、NZドル/ドルは0.8309ドルを示現するなど、途中で落ち着く局面を挟みながらもドル売り地合いを継続させた。
クロス円は上下に振れる展開。ドル円の下落とドルストレートでのドル売り・他通貨買いに挟まれる格好で大きく上下に振れ、ユーロ円は本日高値となる143.11円を示現する場面が見られた後は142.07円まで反落するなど比較的短時間で荒れた動きとなった。そのほか、ポンド円は171.25円、豪ドル円は93.04円、NZドル円は86.01円まで下落した後は買い戻しが優勢となり「いって来い」となる場面が見られるなど、ドル円とドルストレートの動向に左右された。
そのほか動きが目立った通貨としては加ドルが軟調。米雇用統計と同時に発表された加12月雇用者数が予想外のマイナスとなりカナダの雇用環境の悪化が懸念されるかたちとなった。また、米雇用統計の弱い結果も隣国で米国との関係が強いカナダ経済への悪影響を意識した動きにつながったことも加ドルの重しとなり、今回の米国とカナダの雇用統計がともに加ドル売り材料となってしまった感がある。加ドル円は95.11円、ドル/加ドルは1.0946加ドルまで加ドル売りが進んだ