NY為替概況 手掛かり少なく小康状態

2014年03月11日 06:20

週明け10日のNYタイムでは、手掛かりに乏しいなか各通貨が狭いレンジで推移した。ダウ平均が一時100ドル前後下落したことで、ドル円・クロス円は早朝の高値水準から売りに押されるなどやや重さを感じさせたが下値は広がっていない。ドル円は103円前半で小康状態。ユーロ円は143円前半、豪ドル円は93円前半で値動きに精彩を欠いた。米雇用統計を終えて米連邦公開市場委員会(FOMC)まで大きな材料が見当たらないなか、中国のさえなかった貿易統計や物価指標の結果も嫌気して米株価が売りに押されたことが上値追いを消極的にさせた。こうしたなかでポンド円は171.54円まで日通しの安値を更新。対ユーロでのポンド安で上値の重さが際立っていたところに、ビーンBOE副総裁による発言が後押しとなってわずかだが下値を広げた。ビーン副総裁は住宅市場の加熱に警戒するとした上で今後のいかなる利上げも緩やかなペースにとどまると発言。さらに、一段のポンド上昇は輸出主導の景気回復の足かせになるとの見方を示したことがポンド高へのけん制と受け止められた。ポンドドルも1.6622ドルまでわずかだが下値を広げた。ユーロドルは1.3862ドル、豪ドル/ドルは0.9013ドルまでレンジ下限を拡大させるなど、クロス円の重さが対ドルへも若干だが波及した。米雇用統計の結果が米労働市場に対する安心感を誘ったことで、来週のFOMCではこれまで通りに量的緩和(QE)のペースが100億ドル規模で縮小されるとの見方で固まりつつあることもドルがサポートされた一因となったようだ。