NY為替概況 円全面高 ユーロは急落
2014年03月14日 06:16

NYタイムでは円が全面高。朝方に米2月小売売上高や新規失業保険申請件数の好調な結果を受けて見られたドル買いや円売りは短時間で失速した。中国の景気鈍化懸念に加え、ウクライナ情勢の緊張感の高まりが円買いの背景。ケリー米国務長官が、週末にクリミア自治共和国でロシア編入の是非を問う住民投票が実施されれば、週明けにも欧米がロシアに対して重大な措置を発動するとの見解を述べたことも警戒感を強めた。ウクライナの東部ドネツクで、親ウクライナ派と親ロシア派が4000人規模で衝突し、死者がでたとの報道も嫌気された。米経済指標を好感して買い先行で始まったダウ平均は前日比200ドルを超える水準まで下落。米10年債利回りは2.65%割れまで大きく低下するなど市場全体でリスク回避の動きが優勢に。ドル円は序盤に米指標を受けて反発してつけた102.70円前後から終盤には101.54円まで大幅下落。ポンド円は168.72円、加ドル円は91.77円まで円買いで推移した。
ユーロは急落。対ドルはユーロ円が円買いで下げ幅を広げるなか、2011年10月以来の高値となった1.3967ドルから調整に押されると、ドラギECB総裁が「物価安定の評価に為替レートは非常に関連する」、「ECBのフォワードガイダンスはユーロ上昇の抑制要因となる公算」などと発言したことに反応。1.3846ドルまで売られて今週の上げ幅をほぼ帳消しにし、ユーロ円は円高とユーロ安を受けて140.71円まで一段安となった。
アジア市場から堅調だったオセアニア通貨も調整した。豪ドル円は93.41円から、NZドル円は2007年12月以来の高値88.32円から、リスクオフの円買いのなかでそれぞれ91.55円、86.54円まで急落。対ドルもクロス円の大幅な反落に連れる格好で豪ドル/ドルは0.9104ドル、NZドル/ドルは0.8606ドルからともに100p程度上げ幅を縮小させた。

