NY為替概況 ドル円、7年ぶり高値更新も後半失速

2014年11月15日 06:58

NYタイムはドル安。週末の主要20カ国(G20)首脳会議や財務相会議を控え、ドルが調整売りに押された。また、インフレが抑制された状態が続くことを示唆する指標結果を受けて、米金利が低下したことも、ドルの上値を重くした。ドル売りの流れは商品市況にも波及し、金や原油価格が軒並み上昇したことで、欧州通貨や資源国通貨は大きく買い戻された。
 
この日発表された、米10月小売売上高は総合が前月比+0.3%、同コアも+0.3%と、前月のマイナスからプラスに転じた。昨日の小売大手ウォルマート・ストアーズの決算内容を受け、消費拡大への期待が膨らんでいたが、この見方をある程度裏付ける格好となった。また、米11月ミシガン大学消費者信頼感・速報値は89.4と市場予想87.5を上回り、2007年7月以来の高水準となった。ただ、1年後と5年後のインフレ期待は前月から低下した。そのほか、10月輸入物価指数が-1.3%と2年4カ月ぶりの低下幅となり、インフレ抑制を示唆した。
 
ドル円は、小売売上高の結果公表直後に米長期金利が2.38%付近へ上昇したことから、116.83円と約7年ぶりの高値を塗り替えた。しかし、その後に長期金利が2.32%付近へ低下したことから116円前半まで押し戻された。とはいえ、本邦の政策期待から116円の大台は維持して週の取引を終えた。
 
一方で、ユーロや資源国通貨は堅調。序盤こそ、米経済指標を受けたドル買いに押されたが、取引一巡後は切り返した。ユーロドルは1.2398ドルまで下落後に1.2547ドルまで反発し、5日以来の高値をつけた。豪ドル/ドルは0.8648ドルを安値に0.8773ドル、NZドル/ドルは0.7824ドルを底値に0.7939ドルまで高値を塗り替えたほか、ドル/加ドルは1.1264加ドルまで加ドル高が進んだ。
 
クロス円もしっかり。対ドルでの上昇やドル円が比較的底堅く推移したことから、ユーロ円は2008年10月以来の高値となる145.84円を示現。スイスフラン円は121.41円、豪ドル円は101.92円、NZドル円は92.26円、加ドル円は103.23円まで軒並み年初来高値を更新する通貨が目立った。
 
 
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