NY市場 不透明な部分もまだ多い
2014年08月21日 02:45
このあと日本時間3時のFOMC議事録待ちの状況の中、ドル円は103.35付近での振幅が続いている。きょうは全般的にドル買いが強まっており、ドル円も103円台を回復してきているが、きょうの値動きから上昇シグナルが点灯したとして、ロングを推奨する向きも出ているようだ。オプション市場でもドル円の1ヵ月物のボラティリティが再び6%を試す動きもあり、膠着相場から抜け出しそうな気配は出ている。
しかし、一方で鏡相場とも言われる米国債利回りの上昇がいまひとつで、米10年債は2.4%付近と低水準での推移が続いている。
世界的に国債市場に資金が流入しており、各国の利回りは低下ぎみだ。地政学的リスクの高まりもあるだろうが、中央銀行の慎重姿勢が根強いことも、その要因のひとつと考えられる。
米英とも雇用が改善しており、インフレ期待もそれなりに高まっている。しかし、インフレ期待の裏づけとなる実質賃金の上昇が緩く、中央銀行も腰が引けているといったところだ。表の雇用指標は好調だが、質があまり良くないということなのかもしれない。米英のみならず、日本も同様で、ユーロ圏に至っては雇用は最悪の状況から脱していない。
年末にかけて世界的に景気が鈍化する懸念も脱し得ず、株価は底堅く推移しているものの、全体的にリスク選好のムードまではまだ確認できていない。
上向きのサインは出つつあるものの、ドル円がどこまで上値を試せるか、不透明な部分もまだ多いように思われる。