週間為替展望(ポンド/加ドル) ポンド、1.70ドルが目標

2014年02月22日 03:15

◆英利上げ期待やや後退も、景気回復を背景にポンドは堅調
◆ポンドドル、引き続き1.70ドルの大台がターゲット
◆低調な加経済指標が続いているため、加ドルの反発は弱い
(国際金融情報部・金星)
 
予想レンジ
ポンド円 166.00-175.00円
加ドル円 90.50-94.00円
 
2月24日週の展望
 英消費者物価指数(CPI)や英雇用指標の結果を受けて、イングランド銀行(BOE)による早期利上げ観測はやや後退した。英1月CPIは2009年11月以来の低水準となる+1.9%で、BOEの目標水準を下回った。また、英12月ILO失業率(3カ月)は市場予想の7.1%に対し、7.2%に小幅上昇した。この結果は、利上げを急ぎたくないBOEの方針を裏付ける内容となったといえるだろう。BOEの金融政策委員会(MPC)議事録(2月5-6日開催分)は、利上げを実施する場合は緩やかなものになるとの見通しを示した。
 
 早期利上げ期待がやや後退したものの、景気回復を背景に堅調地合いは続きそうだ。MPC議事録でも、過去1カ月経済成長の見通しが強まったと判断された。英12月ILO失業率が市場予想を小幅に上回ったものの、英1月失業率は3.6%で、5年1カ月ぶりの低水準となるなど、景気拡大を背景とした労働市場の改善傾向を示している。英2月ライトムーブ住宅価格は前年比+6.9%で、2007年11月以来の大幅上昇となり、住宅市場の好調さも続いている。市場では2015年前半にBOEが利上げに踏み切るとの見方が根強い。ウィール英MPC委員は「早期の利上げは排除できない」、「最初の利上げは来年春ごろとなる可能性」との見解を示した。ポンドドルは2011年4月以来の1.70ドル大台をターゲットにする動きが継続するだろう。
 
 年初から一段と強まった加ドル売りは一服したが、加経済指標はさえない状態が続いており、加ドルの反発に勢いはみられそうもない。加12月製造業出荷は前月比で-0.9%と、市場予想を下回り予想外のマイナスに転じたほか、加12月卸売売上高も市場予想を大きく下回る-1.4%となり、前月分も下方修正された。21日に発表予定の加12月小売売上高は前月比で-0.4%と、マイナスに転じる見込みである。加1月消費者物価指数は前年比+1.3%と、前月の+1.2%からやや伸びが加速すると予想されるが、カナダ中銀(BOC)のインフレ目標の下限に近い状況が続くだろう。悪天候の影響もあり、米経済指標は低調な状態が続いており、全体的にドル売りが優勢となっている。これが加ドルの下支えとなっているが、加ドルが自律反発しているとはいい難い。ドル/加ドルは先週に続き1.09-1.12加ドルのレンジ内で推移し、加ドル安が維持される可能性が高い。加ドル円は直近安値の90円後半で下げ渋るかどうか注目したい。この水準を維持できなければ、90円の大台割れを試す動きも念頭に置きたい。
 
2月17日週の回顧
 ポンドは買い先行後に上げ渋った。四半期インフレ報告後の地合いを続け、ポンドドルは2009年後半以来となる1.68ドル前半まで上昇したが、利上げ期待の後退を背景に1.66ドル前半まで押し戻された。ポンド円も171円後半を高値に上げは一服。加ドルも買い戻しが先行したが、加12月卸売売上高が予想より低下したことを受けて弱含んだ。ドル/加ドルでの加ドル買い戻しは1.09ドル前半、加ドル円の反発は93円後半止まりとなった。
 
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