見通し(東京市場 為替) ドル円上値の重さくすぶる、中国指標にも警戒
2014年05月07日 08:02
昨日の海外市場ではドル安。先週末発表された強い米雇用統計を受けてドル高の流れが出来なかったことで、失望感からドル売りにつながっているうえ、この日発表された英国・欧州のPMIが強く、ドル全面安の起爆剤となった。欧州中央銀行(ECB)理事会が迫るなかでユーロドルは1.3952ドル示現後に伸び悩んだが、下押しを1.39ドル前半までにとどめて底堅く推移。ポンドドルは2009年8月以来の高値を更新したほか、NZドル/ドルは2011年8月以来の高値を塗り替えた。一方、ドル円は101.50円まで下押し、4月15日安値に並んだ。
ユーロ圏の景気回復を背景として新興国から欧州への資金シフトがユーロを下支えしている一方で、米国の早期利上げ期待の沈静化がドルの上値を重くしている。本日のイエレンFRB議長の議会証言では、これまで通り低金利政策の維持があらためて表明される見通しとあって、目先ユーロ高・ドル安の流れが逆転するには材料が不足している感じだ。こうしたなか、日銀の追加緩和への手ごたえがない状況も加わって、ドル円のサポート力は緩んでおり、上値の重さはなにかと意識されやすい。連休明けとなる本邦株式市場が、米国株の下落を受け売り先行の展開が見込まれることも、ドル円を重くするだろう。もっとも、日銀の追加緩和の実現性が完全に消失したとはいえないほか、現状の水準からは輸入勢のドル買いが期待されることから、円買いのスピードもある程度穏やかだろう。
そのほかでは、豪州で小売売上高、中国で4月HSBCサービス業PMIが発表される。昨日、経済協力開発機構(OECD)は、中国の今年の成長率見通しを従来の+8.2%から+7.4%へ下方修正した。指標結果がさえないようなら、中国経済に対する不透明感から円買いの流れが強まる展開もあるか。