見通し(東京市場 為替) ドル円、底固いも上値は限られるか
2014年05月13日 08:00

NYタイムは、堅調な米株式市場の動きを受け、リスク選好の円売りが優勢となった。ダウ平均は16704.84ドルまで最高値を更新した。ドル円は、米長期金利の上昇によるドル買いも後押しとなり、6日高値に並ぶ102.19円まで上値を伸ばした。ユーロ円は140.63円、ポンド円は172.51円、豪ドル円は95.72円まで上昇するなど、クロス円でも幅広く円売りが先行した。対ドルでは各通貨とも上値が重く、ユーロドルは1.37ドル後半から半ばへ下押した。ウクライナ情勢の不透明感が重しとなった。
昨日のドル円は底固い動きとなるも、先週のレンジを引き継ぐかっこうとなった。11日にウクライナ東部2州で住民投票が強行されたが、5月25日のウクライナ大統領選挙が注目されるなか、金融市場の反応は限られた。住民投票の結果を受けて、親露派勢力は露への編入を目指すと表明した。一方でウクライナ政府は露から、期限までに前払い金を支払わなければ天然ガス供給を停止すると警告を受けている。また、露は住民投票の結果を「尊重」する意思を表明している。欧米株高はドル円の下支えとなるが、ウクライナ情勢は引き続き不安定要因として警戒されることから、レンジ上限を大幅に広げるのは厳しいだろう。テクニカルポイントとして、21日移動平均線や日足一目均衡表・転換線の102.23円付近、日足一目均衡表・雲の下限や90日移動平均線の102円半ばが引き続き抵抗として意識されそうだ。東京タイム午後には中国の鉱工業生産や小売売上高などの発表が控えており、この結果にも注目したい。

