東京為替概況 豪ドル安/NZドル高 米QE縮小観測はドル買い

2013年12月12日 15:39

12日の東京市場は方向性のない展開となった。米財政協議が進展したことで量的緩和策の早期縮小観測が強まり、ドル買いが入る場面もあったが上値は限定されている。ドル円は実需の買いにも支えられ11時前に102.75近辺まで上昇したがその後は伸び悩み、102.50台を中心に小動きに推移している。安値は早朝開始時に付けた102.39近辺。ユーロに対してもドル買いが先行したが、ユーロ短期金利が上昇していることもありユーロドルは底堅く推移している。
超党派委員で合意した米予算案は早ければ本日中に下院本会議で採決されるが、多数を占める野党共和党では賛成の意見が増しているという。下院通過後は上院本会議で採決され、承認される見通しは高まった。法案可決を受けて少なくとも2015年10月までは政府機関の閉鎖に陥る懸念はなくなっている。
 
豪ドルには一時買いが入ったものの、景気不安を背景に追加利下げ観測が強く、世界的な株安もあって値を落とした。豪州11月の雇用統計で雇用者数は予想以上の増加だったため豪ドル買いが入ったが、前回値の数字は下方修正され失業率は2009年6月以来の高水準に並んだこともあり、上げ一服後は急速に値を落としている。豪ドル/NZドルが2008年10月以来の安値を付けていることも豪ドル相場に重石となっている。
ニュージーランド中銀は早朝、政策金利の据え置きを決定、インフレ抑制に向けた来年の利上げの可能性を示唆した。ウィーラー総裁は議会証言で、中銀は住宅価格の上昇を懸念しており、価格抑制のため政策金利の引き上げが必要になるとの見解を述べた。豪銀大手のウェストパックは利上げ時期見通しを従来の来年4月から3月に前倒ししており、ロイター調査でも3月引き上げの見方が多いという。NZドルは強含む展開となった。