東京為替概況 ドル円は103円台に乗せ年初来高値を意識 序盤の調整は浅く

2013年12月03日 15:25

3日の東京市場、ドル円は103円台前半へと一段高。昨日のNY市場後半に6ヵ月半ぶりにドル円が103円台に乗せた。米中経済指標の強さを受けて米長期債利回りが上昇したことがドル高圧力に、黒田日銀総裁の緩和継続姿勢が円安圧力になっていた。東京早朝は103円台を維持できず102.90台で取引をスタートしている。NY株が金利上昇を嫌って下落しており、調整ムードもみられた。日経平均は円安を好感して寄り付きから買われが、次第に上げ幅を縮小すると、ドル円は102.83近辺まで下押しされる場面があった。それでも円安圧力は根強く、再び103円台に乗せた。午後には一時103.38レベルと前日高値を上回り、5月22日の年初来高値103.74レベルを意識する声もでてきていた。ユーロ円は139円台前半から140円手前へ、ポンド円は168円台前半から169円台乗せへと上昇。ドル円の上昇につれる動きだった。
 
先週26日時点でのIMM投機ポジションでは、円のネット売り持ち高が1兆5400億円と、前週の1兆4027億円から拡大し、円の売り持ちとしては2007年7月17日以来の高水準となったことが判明。枚数ベースでは、円の売り持ちは12万3203枚と、前週の11万2216枚の売り持ちから拡大した。ユーロやポンドなどその他主要通貨は対ドルでの持ち高が均衡する方向となっており、海外投機筋は円売りを集中して行っていることが読み取れる数字だった。
 
アジア株は軟調。日経平均は後場に1万5800円に迫る堅調な値動きになっているが、豪州、香港、韓国などの主要株価指数はマイナス圏での推移。上海株もほぼ前日並み水準での揉み合い。全般的に、前日のNY株下落を受けて利益確定売りが優勢。堅調に推移するクロス円のなかでは、豪ドル円が93円台後半で上値が重い。10月の豪小売売上高が予想を上回る伸びを示したが、買いは限定的だった。むしろ、11月中国非製造業PMIは56.0と10月の56.3から低下したことが、重石。さらにこの日の豪中銀理事会の声明で、豪ドル高けん制が繰り返されている。