東京市場 序盤は円売り引き継ぐが株価急落で反転
東京タイム午前は円売りが先行。NYタイムの、良好な米指標結果を受けたリスクオンムードが引き継がれる格好で、ドル円・クロス円には買いが持ち込まれた。史上最高値を更新したダウ平均の動向にも促され、日経平均は約2カ月ぶりとなる14900円台の回復を達成。ドル円は市場環境の好転や、週末の仲値に向けたフローも後押しとなって、前日高値を難なく上抜けて100.87円まで上昇。ユーロ円は5月28日以来の水準となる132.11円まで、ポンド円は153.40円、豪ドル円は92.43円、NZドル円は79.64円、加ドル円は97.10円まで幅広く円売りが進んだ。また、先進国の金融政策の方向性を意識する流れがメインテーマのなか、ドル円が上昇したことで各通貨にドル高が波及。ユーロドルは1.3089ドル、ポンドドルは1.5197ドル、豪ドル/ドルは0.9155ドル、NZドル/ドルは0.7880ドル、ドル/加ドルは1.0391加ドルまで対ドルで下落した。
しかし、仲値を通過してフローが細っていった局面で、伸び悩んでいた日経平均が前日比400安近辺まで急落すると円売り・ドル買いの地合いが一転。ドル円は短期筋の巻き戻しの動きもあわさって100.20円まで水準を落とし、前日のNYタイムでの上げ幅をほぼ帳消しに。ユーロ円は131.39円、ポンド円は152.59円、豪ドル円は91.96円、NZドル円は79.14円、加ドル円は96.61円まで円買い戻しを強めた。結局、日経平均が下げを埋め出したことで円買いも一時的となり、ドル円・クロス円は総じてこれまでのレンジの中間付近へ戻す展開。ドルストレートは下げを取り戻すなど株価動向にも振らされる格好で各通貨が上下した。
午後も株価の動向次第となりそうだ。このまま日経平均が下値を広げることなく推移すれば、ドル円・クロス円の動きも落ち着いてくるだろう。ただ、週末といった要因を考えれば警戒を怠れないのは事実。ドル円・クロス円や株価に、直近の上昇で高値警戒感が台頭してくる可能性は十分にありえる。高寄りした中国株が、重さを感じさせながら推移していることも気がかり。ドル円はひとまずここまでの日通しレンジをどちらかにブレイクした時点で強弱を判断するべきか。