東京市場 午前 クリミアめぐってリスク回避の円高基調続く

2014年03月17日 12:28

東京午前の為替市場で、円相場は先週末からの円高水準を引き継いだ。週末に行われたウクライナ・クリミアでの住民投票ではロシア編入支持が圧倒的多数だったため、ロシアはこの結果を後ろ盾としてクリミアの併合を進めていくとみられる一方で、欧米側は投票結果に法的な正当性を認めず、経済制裁を強化していく見通し。西側・東側とも、いったん振り上げた拳をおさめる理由は見当たらず、リスク回避の円高圧力が継続している。日経平均株価は続落して始まった後、小幅にプラス展開する場面もあったが、リスク許容度は引き続き乏しい。
 ドル円は101.57円、ユーロ円は141.27円、ポンド円は168.96円、豪ドル円は91.76円、NZドル円は86.78円まで水準を切り上げた。ロシアとウクライナがクリミアをめぐって武力衝突する懸念は高まっているが、週明けの東京市場では一段の円高を試す展開にはならず、円ロングがやや調整された。
 豪ドル/ドルは0.90ドル前半で推移。週明けの取引で豪ドル売りが先行し0.8993ドルまで下押したが、その後は先週末の水準へと戻した。人民元の許容変動幅拡大は特に材料視されていない。NZドル/ドルは0.85ドル前半で小動き。ユーロドルは1.39ドルちょうど付近、ポンドドルは1.66ドル前半でもみ合い。
 東京午後はロシアの出方をめぐって神経質なムードが続きそうだ。主要国はロシアに対する制裁実施へと動いて、同国がクリミアを併合しないよう制止を試みているが、事態を悪化させているだけであり、沈静化への糸口は見えていない。ロシアがクリミアに部隊を拡充させていくなら経済制裁というカードは抑止力としての効果をほぼ失い、西側の次の一手が懸念されることになるか。