東京市場 午前概況 株高による円安を中国GDPが後押し

2014年04月16日 12:04

東京タイム午前は株高を背景に円売りが進んだ。日経平均株価は米株式市場の続伸を好感して大幅高で寄り付くと、前日比で300円を超える上げ幅を示現した。ドル円は株高と仲値に向けたドル買いフローにも支えられると、直近高値となる102円前後を軽く攻略。警戒感のあった中国1-3月期GDPが無難な結果で着地したことがリスク選好寄りのムードを高めると、8日以来の高値水準となる102.26円まで上値を伸ばした。中国1-3月期GDPは前年比+7.4%となり、市場予想中央値の+7.3%を上回る結果となった。当局の目標となる+7.5%には届かなかったほか、中国国家統計局は「成長は季節的な振れの範囲、下方リスクはある」との認識を示したものの、市場は下振れの回避を好感している。そのほかのデータは、3月鉱工業生産(前年比)が+8.8%(予想+9.0%)、同小売売上高が+12.2%(同+12.1%)などと強弱はまちまち。クロス円も株高とドル円の上昇に呼応して、ユーロ円が141.33円、ポンド円が171.02円、加ドル円が93.09円まで上値を伸ばした。
 オセアニア通貨には売りが先行した。早朝に発表されたNZ1-3月期消費者物価指数が市場予想や前期を下回ったことで、NZドル/ドルは買い戻しを挟みながらも0.8579ドルまで下値を広げた。来週のRBNZ理事会では2会合連続の利上げが予想されているが、弱いデータに対主要通貨で巻き戻しを強めた格好。豪ドル/ドルも当初は連れ安となったが、対NZドルでの豪ドル高に加え、中国GDPの結果を受けた安心感から対ドルは0.9332ドルを安値に0.9370ドルまで反発する場面もあった。ドル円の上昇に支えられながらも豪ドル円は95円半ばで伸び悩み、NZドル円は一時87.52円まで下値を広げた。一方でユーロドルは1.38ドル前半、ポンドドルは1.67ドル前半の極めて狭いレンジ上下した。
 午前中に発表された中国の経済指標を市場はおおむね安心材料として捉えているようだ。午後はアジア市場全般の株価動向を眺めながら、ドル円や上値を伸ばしたクロス円の上昇余地や調整圧力を推し量っていく展開となりそう。午前の日経平均の上げ幅が相応だったことで、前日の米株式市場のようにウクライナ問題などが意識された時、値幅を伴った調整が強まる可能性は捨てきれないことから警戒は必要だろう。