東京市場 午前概況 円売り・ドル売り優勢、NYタイムの流れが巻き戻される

2015年03月11日 12:15

午前の為替市場は、円売り・ドル売りが優勢となるなど、昨日NYタイムでの流れが巻き戻された。ドル円は、下げてスタートした日経平均株価がその後100円近くまで反発したことを支えに、120.85円から121.45円まで切り返した。輸入企業のドル買い・円売りも下支えになったもよう。
 
クロス円も買い戻された。ユーロ円は129.95円、ポンド円は183.07円、スイスフラン(CHF)円は121.67円、豪ドル円は92.73円、NZドル円は88.41円、加ドル円は95.74円まで足元の下げ幅を縮めた。白井日銀審議委員が先週欧州で行った講演録が公表されたが、その中で「物価2%接近の時期、不確実性が高まっている」、「直近の見通しから後ずれする可能性ある」との見解を示したことも、日銀の追加緩和への思惑を高めた可能性はある。
 
また、他通貨もドルに対して買い戻された。ユーロドルは、欧州中央銀行(ECB)による量的緩和や、6月の米利上げ観測が両輪となって下げた昨日の流れが尾を引き、オセアニアタイムに1.0666ドルまで売りが先行。12年ぶりの安値をつけた。その後は、短期的な売られ過ぎ感からショートカバーが優勢となり、1.0719ドルまで反発した。とはいえ、欧州各国の国債利回りが低下する中で、戻りは限られた。
 
その他の通貨も、ユーロに連動して下値を切り上げ。ポンドドルは1.5087ドル、豪ドル/ドルは0.7645ドル、NZドル/ドルは0.7298ドル、ドルCHFは0.9970CHFまで他通貨が買い戻された。豪ドルに関しては、ケントRBA総裁補佐が「さらなる緩和が適切となる可能性も」と述べたが、市場では材料視されなかった。
 
午後には、1-2月小売売上高、同鉱工業生産、2月固定資産投資などの中国経済指標が発表される。午前は株安が小休止する格好となったが、指標結果が弱ければ株安が再燃する可能性もある。ドル円・クロス円は、結果を受けた動き出しに注意したい。また、東京タイムでは反応がなくても、欧州市場で反応する可能性もあり、気は抜けない。