東京市場 午前 過度な懸念が巻き戻され円売り優勢、株価は反発
2014年03月04日 13:03

東京タイム午前は円売りが優勢。ドル円は前日高値を超えて一時101.71円まで上昇した。ロシアによるウクライナへの軍事介入が警戒されるなか、欧米の株安の流れを引き継いだ本邦株価の安寄りへの円相場の反応は限定的だった。米国防総省がロシアとの二国間会合や寄港、軍事的関与を中止したと発表したことに加え、米通商代表部(USTR)もロシアとの貿易・投資協議を中止するとの報道がなされたが影響は極めて軽微にとどまっている。むしろ、過度な警戒感によるトレードが巻き戻されるように、日経平均が5営業日ぶりに反発するなど、主要株価のプラス圏への回帰を眺めて徐々に円売りを強める格好に。ユーロ円は139.57円、ポンド円は169.28円、NZドル円は85.08円、加ドル円は91.78円まで円安推移し、豪ドル円は強い豪住宅建設許可の結果も好感して一時90.96円まで上値を伸ばした。米10年債利回りは2.61%台を回復させる水準まで前日の低下幅を縮小させ、ダウ先物もプラス圏で推移するなど各市場でセンチメントの悪化は小休止している。ただ前日、ロシアがウクライナ軍に最後通告を出し、日本時間正午までの降伏を要求したと一部で報じられていたこともあり、一定の緊張感は維持されているもよう。
対ドルはユーロドルが1.3718ドル、ポンドドルが1.6641ドルまでじり安で推移し、ともに前日安値を下回った。米長期金利の上昇がドル高に寄与したことや、ウクライナ問題が地理的に欧州通貨にとって意識されやすかったことも影響していたようだ。一方で豪ドル/ドルは一時0.8957ドルまで上振れた。対円同様、豪1月住宅建設許可が前月比で+6.8%と、市場予想の+0.5%を大きく上回ったことに反応した。ただ、この後に豪準備銀行(RBA)の政策発表を控えて値動きは大きくない。
午後はRBA理事会と引き続きウクライナ情勢に注目したい。RBAでは金利の据え置きが広く予想されておりサプライズはないと思われる。足元の人民元の下落や中国景況感の鈍化などを受けた対外的な見通しと、通貨水準に再び言及があるかが焦点となろう。ウクライナ問題に関しては軍事衝突といった最悪の事態はさほど想定されていないが、ロシア側の態度が軟化しない状況下、ヘッドラインに振り回される可能性は高く警戒したい。
