東京市場 午前 足元の流れと機械受注、株高受けて円売り先行
東京タイム午前は円売りが先行した。ドル円は本日から米経済指標の公表が複数予定されるなか、前日の米市場から期待先行で上昇した流れをそのままに、朝方から上値を拡大させた。安倍首相が、法人税の実効税率引き下げを検討するように関係者に指示したと伝わったことも円売りを後押し。また、前月の反動で大幅な落ち込みが見込まれていた6月機械受注では、市場予想ほどの悪化は確認されず、四半期ベースでは昨年1-3月期以来に増加したことも好感された。一時270円高前後まで上昇した日経平均との相乗効果で、ドル円は仲値にかけて97.45円まで上値を拡大。クロス円でも円売りが強まり、ユーロ円は129.51円、ポンド円は150.57円、豪ドル円は88.83円、NZドル円は77.80円、加ドル円は94.53円まで買い進まれた。その後は、海外市場から殆ど押し目もなく上昇した経緯もあって徐々に伸び悩んだ。クロス円に関しては、各通貨の対ドルがドル高に押されていたことも上値を圧迫。ドル円は97.50円の、夏季休暇中の本邦勢のリーブオーダーも意識された可能性があり、株価の上昇が一巡すると97.20円前後まで調整した。
ユーロドルは1.3290ドル、ポンドドルは1.5447ドルまでじり安。クロス円の上昇は下支えだったが、前日来の米長期金利の上昇によるドルの底堅さが残っており上値を圧迫された。ただ、欧州時間には独・ユーロ圏のZEW景況指数や、英CPI・小売などの発表予定が控えており様子見も強かった。一方で、豪ドル/ドルは0.9100ドル、NZドル/ドルは0.7971ドルまで下値を拡大させる軟調な展開。本邦株高や、中国株の落ち着いた推移のなかでも弱さが目立った。豪ドルにはポジション修正による持ち直しの動きにも一巡感があり、先安が見通せることも重し。豪企業景況感に改善の兆しがなかったこともやや嫌気された。
午後は、ドル円・クロス円が底堅さを維持できるかが焦点となろう。早朝の流動性の低い状況で上値を伸ばした後も、下押しを一定の水準にとどめており、ここまでのところは力強さもある。米経済指標への期待感や、本邦サイドのポジティブなニュースに反応しやすくなっていることも好感されよう。ただし、期待だけで水準をあげていた部分もあり、調整が入れば下げ足も速いものになりそうだ。