東京市場 午前 豪CPI上振れで豪ドル急騰 ドル円は小幅な振れ幅

2014年01月22日 12:35

 東京タイム午前は豪ドルが急騰。豪10-12月期消費者物価指数(CPI)の好結果に反応した。同指標は前年比で+2.7%と市場予想の+2.4%を上回った。前期比ベースでも+0.8%と予想の+0.4%から上振れる好調な内容に。豪準備銀行(RBA)が金融政策の指針として重要視する基調インフレ(トリムと加重の平均)は、2.60%と前回の2.35%から上昇。中銀の目標レンジ中ほどの推移に変わりはないが、豪州の追加緩和予想は根強く残っていたため、前日のNZ・CPIの上振れで利上げが意識されたNZドルとのコントラストもあって弱含んでいた動きが巻き戻された。豪ドル/ドルは発表前に下押してつけた0.8788ドルから0.8870ドルまで上昇。対円も91.69円から92.48円まで上値を伸ばした。豪ドル/NZドルも1.0666NZドルまで豪ドル高で推移。
 豪ドル以外の対ドルも底堅く推移。対豪ドルでの下落が上値を抑えたが、豪ドル/ドルの上昇もあって全体的にドル安に傾いたことが下値を押し上げた。ユーロドルは前日高値を超える1.3574ドルを示現。ポンドドルは1.6491ドルまで買われ、NZドル/ドルも0.83ドル割れを回避して下値は限定的だった。またクロス円もドルストレートの底堅い推移に加え、安寄りした日経平均のプラス圏回復にともなう円売りも後押しとなって買いが優勢に。ユーロ円は141.67円、ポンド円は172.06円、NZドル円は86.82円までレンジ上限を広げる瞬間があった。前日、中国人民銀行がオペを実施し市場に資金を供給したことで、同国の旧正月を前にした資金ひっ迫懸念が後退。中国株が続伸して始まったことも市場の緊張感を取り払い、円売りに安心感をもたらしている。
 ドル円は104.16円まで下押しを先行させた後、本邦株価の切り返しとクロス円の上昇を頼りに104.42円まで反発。前日NYタイムの戻り高値付近をわずかに上抜けた。ただ、レンジ自体はこのところの東京タイムの値動きの中では狭く、比較的落ち着いた上下だったといえる。
 この後は、日銀の金融政策決定会合の結果が公表される。外資系証券筋によるエコノミストを対象にした最近の調査では、日銀の次回の追加緩和時期がCPIの上振れによって昨年10月時点より後ずれしているとのこと。多くが4月から9月の間に実施するとの見方で固まっているようで、本日の会合はやはり無風で通過することになるだろう。仮に経済・物価情勢の展望レポート(中間評価)でインフレ見通しが上方修正されれば、発表後に円買い方向でポジション調整が入る可能性はあるが、先行きのドル高・円安見通しを転換させるほどの懸念材料にはならないだろう。黒田総裁の会見では消費増税前の駆け込み需要の反動で景気が一時的に下振れる可能性が高いことへの配慮と、物価目標の達成に向けて積極的な「質的・量的緩和」策を継続させることが改めて強調されると予想する。