東京市場 午前 豪首相発言やRBA議事録で豪ドル買い、ドル重くなる

2013年07月16日 12:20

 東京タイム午前は豪ドルが上昇。ラッド豪首相が同国の炭素税を来年7月から廃止する方針を伝えたことや、2日に開催された豪準備銀行(RBA)金融政策決定理事会の議事録を受け、豪ドル/ドルは0.9173ドルまで上値を伸ばし、豪ドル円も91.53円まで買われて堅調な推移をたどった。RBA議事録では「インフレ見通しからは依然として利下げの余地がある」とし、理事会後の声明文と同様に先行きの緩和スタンスが維持された。メンバーからは豪ドルがなお高水準に位置しているとの見方が聞かれ、今後の一段の下落が経済のリバランスに寄与するとの文言があった。ただ、最近の豪ドルの下落を踏まえると政策は「当面」適切であるとし、かなりの緩和がすでに実施されているとの見方に市場は反応。市場では来月の会合で政策金利が引き下げられるとの見方が相当織り込まれていたために買い戻しを強めた格好となった。序盤はドル円が100円を回復させる動きが先行したことで全般的にドル高地合いが目立ったが、豪ドルの対ドルでの上昇が主導する格好でユーロドルは1.3076ドルまでしっかり推移。ポンドドルは1.51ドル前半、NZドル/ドルは0.78ドル前半まで下押しから水準を回復させた。
 ドル円は軟調。連休明けとなった本邦勢からのフローを中心に100.07円まで買いを強め、下押しを挟みながらも仲値にかけては大台前後で下げ渋っていたが、豪ドル/ドルの上昇に伴う相対的なドル安が影響して99.64円まで下落した。日経平均は14600円の大台を回復させたが、CMEやSGXの同先物価格が14700円台を示現した動きと比較して上げ幅が限定的だったことや、中国株が寄り付きから重い動きとなり、この動きが前引けにかけて日経平均に波及していったこともドル円の上値を重くした。クロス円は対ドルでの各通貨の動きよりもドル円に影響を受けており、ユーロ円は130.32円、ポンド円は150.62円まで下落した。なお、アジア開発銀行(ADP)はアジア途上国の2013年成長率を+6.4%から+6.3%へ、2014年を+6.7%から+6.6%へ引き下げた。一方で日本の2013年成長率を前回の+1.2%から+1.8%へ引き上げ、「アベノミクスは実を結びつつあるようだ」との評価を下したが目立った反応はなかった。
 午後はいったん目先の材料を消化したことで、新規の手掛かりを待つ展開となりそうだが株価の動きへのケアは怠らないようにしたい。ドル円は前日のNYタイム以降、100円の大台では重さがやや目立つ動きが続いていることからも、戻り局面では利益確定の売りが入ってくる可能性もありそうだ。ただ17日にはバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の半期議会証言が予定されており、現行の米緩和策からの段階的な脱却が9月に開始されるかの判断を得たいとの思いから、積極的な取引は手控えられそうだ。