東京市場 午前 株高も背景に円売り先行もイベント前に調整

2014年02月18日 11:54

東京タイム午前は円売りが先行。前日の市場予想を下回った本邦10-12月期GDPの結果を受け、この後の日銀金融政策決定会合で4月の消費増税後における景気の落ち込みカバーを踏まえた上で追加緩和が実施されるとの見方が海外勢を中心にわずかながら台頭していた。コンセンサスとしては現状維持が濃厚だが、一時200円を超える上昇となった日経平均の続伸もサポートに朝方から円売りが確認できた。ドル円は前日の海外市場で超えられなかった102円の壁を突破して102.18円まで上昇。ユーロ円は140.01円、ポンド円は170.82円、NZドル円は85.60円、加ドル円は93.31円まで円安推移する場面があった。ただ、イベントを控えて次第に調整が優勢に。株価の上げが落ち着いたことも重なりドル円は再び102円を割り込んだほか、ユーロ円は139.68円まで反落するなど方向感は限定的だった。
 そのほかでは豪ドルが上下。月初に開催された豪準備銀行(RBA)理事会の議事録が発表されると、直後は豪ドル売りが持ち込まれたがすぐに反発。豪ドル/ドルは0.9015ドルから先月13日以来の高値となる0.9081ドルへ、豪ドル円は円安推移も後押しに92円ちょうど付近から92.77円まで上昇した。議事録では「一連の緩和策が予想していた効果を及ぼしている」として現状の政策維持を継続することが賢明との判断があった。ただ、「持続的な通貨下落や低金利がバランスの取れた経済成長をアシスト」との文言もあり豪ドルの一段の上昇を抑制した格好となった。ユーロドルは1.37ドル前後、ポンドドルは1.67ドル前半で小幅な振幅に終始。
 この後は日銀会合の結果公表と黒田総裁の記者会見が予定されている。昨日のGDPでは内需の拡大が顕著にあらわれており、年率1.0%の成長は潜在成長率を上回る水準であることから追加緩和実施の可能性は低い。一方で2次速報値が大きく上方修正されない限り、日銀が想定した2013年の成長見通しを達成できる可能性はほぼゼロになりそうなことから、見通しの修正を迫られる可能性があることには警戒したい。ただし「日銀が政策目標としているのは物価上昇率であり、CPIの見通しが下方修正されなければ追加緩和が実施されることはないだろう」(外資系証券筋)との見方が支配的か。わずかながら緩和期待があることで、予想通りの据え置きとなれば円が買い戻される時間帯はありそうだ。もっとも、総裁会見での追加緩和姿勢に関するトーンに注目が集中することになろう。