東京市場 午前 株安先行で円買いも巻き戻しに転じる

2014年02月17日 11:51

週明けの東京タイム午前の為替市場は、朝方に発表された本邦10-12月期GDP・1次速報値が市場予想を大きく下回ったことで円買いが先行した。GDPは実質で前期比+0.3%と市場予想の+0.7%から下振れた。同前期比年率も+1.0%となり、予想の+2.8%はおろか前回の+1.1%をも下回る結果に。4期連続のプラス成長は確保したものの、好調な内需に対して公共投資や外需が足を引っ張る格好となった。週末の欧米での株高の流れを引き継いで反発が見込まれた日経平均株価は、小幅高で寄り付くと一時100円安近辺まで下落。ドル円は仲値前後に101.38円まで下落して6日以来の安値水準を示現。クロス円にも円買いが広がり、ユーロ円は138.96円、ポンド円は169.91円、豪ドル円は91.69円、NZドル円は84.87円、加ドル円は92.35円まで売りを先行させた。NZドル円はNZ10-12月期小売売上が市場予想の伸びに届かなかったことも重し。ただ、中国・香港株が続伸して始まり、マーケット全体のセンチメントが改善するなかで円高や株安は徐々に巻き戻される展開に。ドル円は前週末引け値とほぼ変わらない水準まで持ち直し、クロス円は対ドルの動向も背景に反発に転じた。結局、日経平均は56円高の14369円で午前の取引を終えた。
 各通貨の対ドルはしっかり推移。特に値動きが目立ったのがポンドだった。先週の英インフレ報告以降の強い地合いが継続。上方向のストップロスの買いを巻き込みながら2009年11月以来の高値を塗り替える1.6823ドルまで上伸し、ポンド円は円高局面でつけた安値から170.92円まで1円近く反発。ユーロポンドも昨年1月以来のポンド高を示現した。ユーロドルも対ポンドでのユーロ安を受けながらも1.3725ドルと先月24日以来の高値をつけ、豪ドル/ドルは0.9069ドルまで上値を伸ばした。NZドル/ドルは小売データの弱さから朝方に0.8360ドルまで下押したあと、0.8393ドルまで上昇した。
 午後も基本的にドル円は株価に連動した値動きとなりそう。GDP後の株価の下押しが一時的にとどまったことで、クロス円とあわせて徐々に底堅さを増していくことは考えられる。ただし北米市場が休場となるなかで積極的な上値追いも期待できないだろう。この後は1日を通じて材料に乏しく、参加者が限られるなかで再び株価とともに上値が重くなっていくことも想定しておくべきだろう。