東京市場 午前 早朝に円売りもドル円は株高のなか上値伸ばせず

2013年12月09日 13:01

 週明け9日の東京タイムでは早朝に円売りが先行した。6日の米雇用統計や週末の中国貿易収支の結果を好感して市場のリスクオン地合いが高まったことに加え、年内の量的緩和(QE)縮小開始への望みが残された米国と、質的・量的緩和の長期化が見込まれる日本との金融政策の方向性も意識され、円安地合いが醸成されやすい環境だったことも後押しとなった。この日発表された7-9月期GDP・2次速報値は市場予想以上に下方修正されたほか、同時に公表された10月国際収支では貿易赤字の拡大で経常収支が8カ月ぶりの赤字に転落するなどさえない内容が目立った。また、中国11月の消費者物価指数と同生産者物価指数は、予想からのかい離が小幅なまちまちな結果に。ただ、いずれの指標にも円やドルの反応は乏しく、株高も先取りする格好で進んだ円売りは次第に勢いを失っていった。
 ドル円は103.23円、ユーロ円は141.55円、ポンド円は168.73円、豪ドル円は94.21円、加ドル円は96.95円、スイスフラン(CHF)円は115.78円まで買いが先行。ユーロ円やCHF円は年初来高値を塗り替えた。NZドル円は対ドルの底堅さも背景に中盤になって85.75円まで上値を伸ばすなど堅調。もっとも、本邦株式市場では先週末の米市場の流れも汲んで日経平均が一時300円を超える上昇を示現するなど大幅高となったが円安基調は徐々に失速していき、ドル円は103円割れ、ユーロ円は141.10円付近、豪ドル円は93円後半まで押し戻されている。
 対ドルは序盤のクロス円の動向に連れて小幅な値動きを見せた程度。ユーロドルは1.3747ドルから1.37ドル前半へ、ポンドドルは1.6360ドルから1.6330ドル台までクロス円に連動。NZドル/ドルは対豪ドルでのNZドル高も後押しに0.8321ドルまで買われ、先月20日以来の高値水準を更新している。
 午後も基本的にはドル円・クロス円は底堅さを示しながら推移しそう。ただ、買いが先行した中国株がマイナス圏に沈んでいることや、日経平均が15600円台を回復した局面でも円売りでの反応がなかったことを考えれば、上値も限定的とみておくべきだろう。