東京市場 午前 円高・資源国通貨安 中国PMIの予想比悪化で

2014年02月20日 12:16

東京タイム午前は円高・資源国通貨安。ドル円・クロス円は本邦株価の続落で上値の重い推移を強いられていたところに、予想を下回る中国PMIが嫌気されて円買いが加速。株価の一段安と歩調を合わせながら水準を切り下げた。中国景況感の悪化で同国と深い交易関係がある豪州などへの影響も懸念され、豪ドルやNZドルなどの資源国通貨も下落。時間外の米長期金利が低下するなどマーケット全体でリスクオフの流れが優勢となった。なお、朝方に発表された本邦1月の貿易収支は統計開始以来で過去最悪となる2兆7900億円の赤字を計上。市場予想よりも収支が悪化したが、貿易赤字が常態化するなかで特に目立った反応はなかった。
 ドル円は序盤から上値の重い推移を続けると、中国PMIの発表後に101.87円まで下落。前日の弱い米住宅関連指標の結果を受けてつけた101.84円に接近し、FOMC議事録公表後の上げ幅をすべて吐き出した。ユーロ円は140.05円、ポンド円は169.82円まで下値を拡大。対ドルの下落も重しに豪ドル円は91.16円、NZドル円は84.01円まで下げ幅を広げた。HSBCが発表した中国2月のPMIは48.3へ低下。前月や市場予想の49.5を下回り、昨年7月以来の低水準を示現した。年明け以降は景況感の改善傾向が鈍化しており、今後発表される製造業や鉱工業関連データの下振れ懸念も強まった。対ドルでは豪ドル/ドルが0.8947ドル、NZドル/ドルが0.8243ドルまで急落するなど弱さが際立つ格好に。一方でユーロドルは1.37ドル半ば、ポンドドルは1.66ドル後半を中心に、対資源国通貨での強含みも背景として下値は限定的。
 世界経済けん引の主役である米中の景気腰折れ懸念が高まる状況では、リスク許容度の低下は否めない。午後もドル円・クロス円は低空飛行が続きそうで、株価の回復などで戻りがあっても短期的な値動きにとどまるだろう。ドル円は前日安値101.84円が下値のめど。割り込めば日足一目均衡表・雲の下限101.53円前後まで下げ余地が生じそう。ロンドンタイムではユーロ圏各国のPMIが発表される。域内の景気回復は鈍くECBによる追加緩和への警戒感は拭えないが、直近の指標からは底堅さがうかがえ、さえない結果が並ぶ米国とのコントラストが一層クローズアップされる可能性はある。ポンドも先日の失業率の改善一服とインフレ率低下で過度な早期利上げ期待が落ち着いている。今日はユーロを主導とした相場展開が見込まれるかもしれない。