東京市場 午前 円全面安 米金利上昇や株高でドル円は104円半ば
2014年01月21日 11:56
東京タイム午前は円全面安。日経平均が予想以上の上昇を見せたことが円売りに安心感をもたらしたほか、米金融政策をめぐる思惑がドル円の買いに寄与した。中国人民銀行が約1カ月ぶりに公開市場操作(オペ)を実施して短期流動性を支えると表明したことで、前日に昨年7月以来の安値をつけた中国株が反発したことも市場センチメントを好転させた。ドル円は株高を眺めながら騰勢を強め、順調に上値を伸ばして16日以来の高値圏となる104.62円を示現した。著名FEDウォッチャーとして知られる米ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)のヒルゼンラス氏が、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では当初の予定通りに資産購入枠が100億ドル規模で縮小されると指摘。米12月雇用統計の就業者数の鈍化でQE縮小の継続にやや懐疑的になっていたため、休場明けの米長期金利が時間外で2.84%付近まで上昇したことも背景に、ドル円にはショートカバーの動きを交えながら買いが強まったとの声も聞かれた。クロス円も軒並み上昇。ユーロ円は141.82円、ポンド円は171.84円、豪ドル円は92.44円、NZドル円は87.22円、加ドル円は95.52円まで上値を拡大。NZドル円は朝方のNZ消費者物価指数(CPI)の好結果の余韻が残っていたほか、加ドル円は加パイプライン大手が傘下のメーカーを本邦企業に売却すると発表したことも心理的な支えになった。
対ドルは米金利やドル円の上昇でドル高に傾きやすい地合いのなかでも、クロス円の堅調さに支えられたことや中国株の反発によるリスク選好寄りの意識が下値を限定的にした。ユーロドルは1.35ドル半ばを中心に下押し局面では買い戻しが入った。豪ドル/ドルは0.8838ドルまで対ドルでしっかり推移し、NZドル/ドルは0.8341ドルまで一段高。今朝のNZ・CPIの予想比上振れで、一部の金融機関は月末の会合で利上げを実施する可能性を指摘するなど、主要国のなかで先陣を切る格好で引き締めを開始させる見通しが高まったことが押し上げ要因となった。
ドル円はにわかショートの巻き戻しが午前の上げを後押ししたとの見方もあり、ここからの一段高には新たな買い手掛かりが必要となってきそう。連休明けの海外勢のアクションを見極めたいとの思いも一層の円売りを手控えさせるか。ただ、市場の心理が前向きになっている以上は巻き戻しの動きも強まりにくい。足元の円安にいったん調整が入る場面はあってもおかしくないが、ドル円・クロス円は底堅さを維持した推移を継続させそうだ。