東京市場 午前 公的年金の資金運用改革への期待で円安
2014年03月06日 13:06
東京タイム午前の為替市場は円安に振れた。厚生労働省が専門委員会に提出した公的年金の資金運用に関する草案で、「国内債券を中心にした運用を求めない」、「運用目標は賃金上昇率を基準に設定」などの内容が明らかとなったことが要因。外債運用比率の上昇を通じた円投への期待が円の上値を重くした。ドル円は102.61円、ユーロ円は140.89円、ポンド円は171.51円、スイスフラン円は115.59円、加ドル円は92.95円までそれぞれレンジ上限を広げ、軒並み昨日高値を上回った。ただ、ロンドンタイムでECB理事会を控えているほか、明日には米雇用統計があることから積極的に円売りを仕掛けづらいこともあって、一方向に円安が進むような展開にはならなかった。
また、豪ドルは堅調。本日発表された豪1月小売売上高が+1.2%と市場予想+0.4%を大きく上回ったほか、貿易統計においても黒字額が前月から大きく拡大したことが豪ドルを下支えした。豪ドル/ドルは0.9033ドル、豪ドル円は92.62円まで上昇幅を広げた。
その他の通貨は前日の終値近辺で上下動。ユーロドルは1.3730ドル付近で、ECB理事会を控えて模様眺めが続いたほか、ポンドドルは1.67ドル前半、NZドル/ドルは0.84ドル前半で小動きとなった。
公的年金資金の運用改革をめぐるニュースを好感した株高・円安の流れは一巡した感はあり、この後はさえない中国株の動向に気を配りたい。中国での社債のデフォルトをめぐる話題が広がるようなら、投資家のリスクテイク意欲も後退して安全資産とされる円の需要が高まることも考えられる。