東京市場 午前 ユーロ円142円乗せ、欧州通貨中心にドル安・円安

2013年12月10日 12:35

  東京タイム午前は前日来の円安基調がわずかに残るなか、午後の中国経済指標の発表も控えて全体的には模様眺めムードが強かった。前日の大幅上昇の反動から日経平均はマイナス圏で推移を続けたが、円と株価の足元の相関関係の薄さは引き継がれており影響は限定的だった。こうしたなかでユーロが対ドル・対円で上振れた。ユーロドルは1.3750ドル、ユーロ円は142.00円にそれぞれ観測されていたオプションバリアを突破したことが手掛かり。ユーロ円は序盤に早々と5年2カ月ぶりの高値となる142円台乗せを果たし、ドル円を103.40円まで押し上げた。ドル円は前日高値を超えて5月23日以来の高水準を示現した。ユーロドルもバリアの防戦売りをこなすとストップロスの買いを巻き込んで1.3769ドルまで急騰。10月30日以来のユーロ高となった。ユーロ円はこの動きに乗じて142.10円まで高値を更新。ユーロ上昇が他通貨の対ドル・対円にも波及し、ポンドドルは1.6466ドル、ポンド円は169.95円まで上振れ。ユーロポンドではポンド高・ユーロ安が確認されるなどフローが先導した瞬間的な値動きとなった。ドル円はドル安の影響を受けて103.17円まで押し戻されやや足踏みの様相。
 オセアニア通貨は小幅な上下。上値の重さを感じさせた中国株の動向を眺めながら、欧州通貨の値動きに影響された振れ幅。豪ドル/ドルは0.9117ドル、NZドル/ドルは0.8302ドルまで先行した下押しから持ち直したが上げ幅はわずか。豪ドル円は94円前後、NZドル円は85.60円台までの反発にとどまった。
 ユーロは対ドル・対円ともに上方向への値動きが軽いが、東京タイムでの動意は一時的とみておくべきか。午後は中国11月の主要経済指標の発表が予定されている。前日の消費者物価指数や生産者物価指数は市場コンセンサスに近い内容で着地したことで市場の材料にはならなかった。今日のデータもおおむね前月並みの結果が予想されており、強い動意につながらない可能性はあるが一定の警戒はしておく必要がありそうだ。