東京市場 午前 ドル高、株高による円売りも 豪企業景況感は弱い
東京午前の為替市場は、円安・ドル高の動き。堅調に推移していた日経平均は、中国消費者物価指数・生産者物価指数の発表を無難に通過したこともあって上げ幅を拡大し、円売りが誘われた。米量的緩和の9月縮小観測もドルをサポート。昨日はドルが調整安となったため、水準的にもドル買いが入りやすかった。豪ドルは売り優勢。ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)が発表した6月の豪NAB企業景況感は-8となり、09年5月の-13.1に次ぐ低水準となった。金融緩和や豪ドル安による恩恵もあるが、豪企業景況感は低下を続けている。
ドル円は101.25円までしっかりと推移。東京朝方には100.77円まで下押し、昨日安値である100.78円をわずかに下回ったが、米金融政策見通しを背景としたドル買いが根強かったうえ、株高による円売りも入った。ユーロ円は130.11円、ポンド円は151.19円、加ドル円は95.80円まで強含み。弱い豪経済指標で豪ドル円は91.77円まで軟化したものの、その後は92円台まで戻した。ただ、株高による円売りに勢いはなく、ドル円・クロス円ともに上値は伸びていない。
ユーロドルは1.2845ドル、ポンドドルは1.4916ドルまで下押し。昨日のドル安の動きに反動が出ている。豪ドル/ドルは0.9083ドル、NZドル/ドルは0.7763ドルまで水準を切り下げた。
この後は株式市場の動向を眺めつつ、欧州勢の参入を待つことになりそうだが、ドル円が101円ちょうど前後での高水準で推移するなか、株高による円売りにあまり馬力はなく、株安・円高パターンにより注意を払うべき局面といえる。今のところ上海総合株価指数の値動きは落ち着いているが、一連の中国経済指標の発表を控え、思惑先行で売られるパターンも想定しておくほうが無難だろう。