東京市場 午前 ドル調整安の巻き戻し、円売りも入りクロス円も上昇

2013年07月17日 12:39

  東京タイム午前はドル買いが優勢。前日の海外市場の流れが反転した。本日、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は米下院金融委員会で半期金融政策報告を実施。明日は上院銀行委員会での証言が予定されている。前日のNY市場ではこれらのイベントを前に、FRB議長が当面は緩和的な金融政策を維持する姿勢を示すとの見方や、米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙の観測記事を手掛かりにドル高の調整が強まっていたが、東京タイムではドルが緩やかながら継続的に買い戻された。日経平均・中国株の重い推移や、日銀が公表した6月開催分の政策決定会合の議事要旨への目立った反応はなかった。
 ドル円は序盤から水準を切り上げ、仲値に向けたドル資金需要にも助けられながら99.55円までレンジ上限を広げた。各通貨の対ドルが上値を圧迫されるなかで、クロス円はドル円の上昇に連れており、全体的に円売りも入っていた印象。ユーロ円はストップロスの買いを巻き込むような格好で130.76円まで買われ、ポンド円は150.45円、豪ドル円は91.87円、NZドル円は78.42円、加ドル円は95.79円まで買い進まれた。
 一方でユーロドルは1.3136ドル、ポンドドルは1.5104ドル、NZドル/ドルは0.7868ドル、ドル/加ドルは1.0401加ドルまで対ドルでじり安。前日のドル安修正のなか、対ドルで買われた値幅を縮小させる動きが続いた。もっとも、FRB議長の議会証言への注目度が高いなか、足元では調整をメインにした取引に振らされており方向感は乏しかった。
 中国6月の海外直接投資が、前年比で+20.1%の伸びだったことが発表されたことも影響してか、安寄りでスタートした中国株がいく分持ち直し気味で推移しはじめている。日経平均も一時の下げを取り戻しながら前場の取引を終えている。午後になって双方の株価が大きく下げる展開を回避すれば、ドル円の下値は浅いか。ただ、イベントを控えて積極的に上値を買い進めていくにも抵抗がありそうだ。他通貨も徐々に様子見姿勢を強めていく流れを想定したい。