東京市場 午前 ドル円は年初来高値に王手 年金運用の話題も後押し
2013年12月13日 12:12
東京タイム午前では、海外市場の流れを引き継いでドル円に買いが先行。引けにかけて上げ幅を広げた勢いをそのままに、103.50円のオプションバリアの防戦売りをこなしてストップロスの買いを誘発。103.66円まで上伸し、年初来高値103.74円をつけた5月22日以来の水準まで一段高となった。前日の米小売データを好感したドル高が維持されていたところに、一部通信社が関係筋の話として、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がカナダの年金基金らと共同でインフラ投資に乗り出すほか、来春から物価連動国債を4000億円超購入する計画があると伝えたことが円売りを促した。ユーロ円は142.54円、スイスフラン円は116.54円まで上昇して直近高値を塗り替え。ポンド円は169.40円、NZドル円は85.35円、加ドル円は97.51円までそれぞれ円安で推移。米下院議会で超党派の予算委員会が策定した財政法案が賛成多数で可決されたこともドル円・クロス円の下値に安心感を与えている。来週の上院協議で承認されれば、オバマ米大統領の署名を経て法制化され、2年で630ドルの強制削減の緩和が実施される。これにより2015年10月までは米政府機関の閉鎖リスクが消滅することになる。ただ、その後は徐々に各通貨が膠着。日経平均が前日引け値を挟んだ振れ幅となるなか、追加的な手掛かりに乏しく様子見姿勢を強めた。
対ドルはまちまち。ユーロドルは1.37ドル半ば、ポンドドルは1.63ドル半ばでほとんど動きはなかった。一方で金融政策の方向性が意識され、前日に2008年以来の水準まで進んだ豪ドル安・NZドル高地合いに小幅な調整が入り、豪ドル/ドルは0.8952ドル、豪ドル円は92.69円まで底堅く推移。NZドル/ドルは0.8193ドルまで下振れる場面もあった。
ドル円は程よい調整をこなして再上昇していることから値動きも軽く、高値攻略のハードルは高くないと思われる。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に一辺倒の動意はためらわれるだろうが、良好なトレンドを背景に引き続き年初来高値の更新を見据えた展開が続くことになろう。