東京市場 午前 ドル円にはやや買い戻し、豪ドルは失速

2013年12月12日 11:48

 東京タイム午前ではドル円が102.76円まで買い戻された。米議会の超党派による財政合意で、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で量的緩和(QE)の縮小が開始されるとの見方がいく分高まりドルがしっかり推移したことも下支え。ただ値幅だけを見れば、長期トレンドを見越したフローというより、前日の円高基調に巻き戻しが入った程度。米金融政策面のタカ派な見通しで株価が軟調に推移したこともあって上値は伸びていない。日経平均は安寄り後に下げ幅を広げ、前日比で200円超下落した。昨日の海外市場で上昇した米長期金利の流れにキャッチアップできなかった状況からも、来週のイベントを前にクロス円とともに反発力が乏しくなっていく展開も予想される。ユーロ円は141.61円、ポンド円は168.15円まで買われたが勢いは限定的。ドル買い地合いのなかでユーロドルやポンドドルに重さを感じたことが影響した。
 豪ドルは11月の豪雇用統計で、就業者数が市場予想を上回ったことを材料に0.9082ドルまで買いが先行した。ただ、失業率が市場予想と一致したとはいえ前月から0.1ポイント悪化したほか、前月の就業者数がマイナスに下方修正されたこと、正規雇用の増加幅が前月の落ち込みをカバーできなかったことなど決して強い結果とは言えないなかで、対NZドルでの豪ドル安も背景に0.9016ドルまで反落。豪ドル円も93.08円から92.48円まで押し戻された。一方でNZドル/ドルはドル買い基調のなかで0.8286ドルまで底堅く推移し、NZドル円は85.06円まで水準を切り上げた。早朝に発表されたNZ準備銀行(RBNZ)の金融政策では、来年以降の利上げの必要性が維持されておりタカ派スタンスが継続した。通貨高への懸念も盛り込まれたが主要国のなかで先陣を切って利上げに踏み切る可能性が高いことがサポート要因となった。
 午後は値動きが乏しくなっていくか。株価の大きな反発があれば、ドル円やクロス円にはもう一段の買い戻しも期待できようが、対ドルの値動きも落ち着いてきており現状ではそれ以上の押し上げ要因は見込めない。ドル円は日足一目均衡表・転換線102.51円や5日移動平均線102.77円前後を意識しながらの推移がメインシナリオ。