本日の見通し(為替) RBA声明文注視、本邦勢戻り円への動きも
2013年11月05日 08:20

週明け4日のNYタイムでは、欧州時間までのドル安トレンドは落ち着いた。ただ、ドルは終始上値の重さを感じさせており反発力は限定的。この日発表された米経済指標では、米9月製造業受注指数が市場予想を下回る伸びに。米政府機関閉鎖の影響で延期されていた8月分の同指標にも弱さが見られドルの上値を圧迫した。ユーロドルはさえない米指標の発表後に高値を更新。欧州中央銀行(ECB)の政策発表を7日に控え、追加的な景気支援策への思惑は根強いがこの日は買い戻しが優勢となった。豪ドル/ドルは翌日の豪準備銀行理事会で、声明文に為替レートへの言及が盛り込まれるとの警戒感もあったが、週末の中国PMIに加えて豪小売データなど、最近の豪指標の堅調な結果を好感した地合いが続いた。
東京タイムは中国経済指標ならびに豪州イベントで豪ドルの動意に注視。休場明けで本邦勢が戻ってくる東京市場は、中国10月HSBCサービス業PMIならびに豪準備銀行(RBA)理事会における金融政策発表と昨日に続き中国ならびに豪州関連の経済指標や重要イベントが予定されており、豪ドルを中心とした動意が期待される。昨日は週末に発表された中国10月非製造業PMIや、豪10月小売売上高の好結果が豪ドル上昇の後押しとなっていたが、本日については中国経済指標の発表もさることながら、RBA理事会における声明文の発表に特に注視。スティーブンスRBA総裁は直近の発言で「交易条件の悪化を考えると、豪ドルはある時点で著しく下落する公算が大きい」と通貨高を懸念していたことから、声明文において同様の内容で通貨高が懸念された場合は昨日の上昇という流れもあって豪ドルは売りに大きく傾斜する可能性は少なくない。本邦証券筋は「RBAが当面中立的な金融政策スタンスを維持する見通しから豪ドルは底堅く推移する」とする一方で、「RBA総裁の通貨高けん制発言からすれば一定程度の水準に達すれば、豪ドルの上値は重くなる公算が大きい」との見方を示している。
また昨日は本邦勢不在で限定的な動意となった円相場についても、本邦勢が市場に戻り、ゴトー日(5・10日)にあたることから仲値にかけてはドル需給といった側面もあってドル円などで動意が広がる可能性もあり、日経平均をはじめとしたアジア株の動向を確認しながら推移を見守っていきたい。
