本日の見通し(為替) 調整主体の動きは一服、再度材料を見極めへ

2013年10月24日 08:12

 NYタイムでは、アジアタイムから進んだ円買いの流れは一服したが、株安・債券高で、リスク回避ムードは継続して、ドル円・クロス円ともに戻りは鈍く、安値圏での推移が続いた。ダウ平均はアジア・欧州株の軟調推移の流れを引き継ぎ、利益確定の売り先行で弱含み、年内の米量的緩和(QE)縮小観測の後退による米長期債利回りの低下基調は継続した。2.50%の大台を割り込んだ米10年債利回りは7月22日以来の安値水準となる2.469%まで低下した。また、NYタイム発表の米9月輸入物価指数は市場予想通りの+0.2%、米8月住宅価格指数は+0.3%(市場予想+0.8%)となったが相場への影響は限定的。ドル円は下値こそ広げていないが、97円半ばで上値を抑えられて97.30円近辺を中心に安値圏でもみ合いが続いた。また、豪ドル円は93.43円、NZドル円は81.36円まで一段安となり、ユーロ円の戻りは134円前半、ポンド円の戻りは157円半ばにとどまるなど、クロス円の軟調地合いは継続した。
 東京タイムは調整主体の動き一巡で再度材料を見極めか。昨日の為替市場では一昨日に発表された米9月雇用統計に関連したドル安・円安が調整主体で反転する格好となり、東京タイムからロンドンタイムにかけてクロス円を中心に円全面高となったほか、ドルストレートは通貨によってまちまちとなったが資源国通貨を中心にドル高基調から上値の重さが継続した。東京タイムは引き続き日経平均をはじめとしたアジア株の動向を確認しながらの展開となりそうだが、昨日の段階で調整もある程度済んだと見ることもできることから、円・ドル相場ともに再び方向感を探っていくような流れも想定されるところ。みずほ証券・投資情報部 チーフFXストラテジスト 鈴木健吾氏は「市場の注目は来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)だが、今週はブラックアウト期間に入り米連邦準備制度理事会(FRB)要人の発言もないことから材料不足の感は否めない」との声が聞かれている。
 本日の東京タイムの材料としては、中国10月HSBC製造業PMIの発表を控えている。市場予想は50.4となっており、分水嶺となる50を維持できるか注目しておきたいところで、結果次第では経済的につながりの強い豪州への影響が意識され豪ドルが動意づくことになりそうで、分水嶺となる50を下回った際のリスクには特に警戒しておきたい。