本日の見通し(為替) 米GDPでドル円に底堅さも、上値は限られるか

2013年08月30日 08:38

 NYタイムでは朝方に発表された米4-6月期国内総生産(GDP)・改定値が速報値や市場予想を上回ったことでドル高が先行した。同時に発表された米新規失業保険申請件数では、4週平均が7週間ぶりに増加した。ドル円はGDPの発表後、米長期金利の上昇を手掛かりに98.52円まで上値を拡大させた。ユーロドルは1.3219ドル、ポンドドルは1.5482ドル、豪ドル/ドルは0.8916ドル、NZドル/ドルは0.7751ドルまで下落した。クロス円はドル円の上昇につられ、ユーロ円が130.53円、ポンド円が152.68円まで上値を広げるなど底堅さを示すも値動きは限定的だった。
 本日東京タイムでのドル円は98円台で底堅さを示すも上値は限られるか。昨日発表された米4-6月期国内総生産(GDP)・改定値が+2.5%と、速報値の+1.7%や市場予想の+2.2%を上回り、米経済の緩やかな改善を示す内容となった。9月に量的緩和縮小開始との思惑が強まり、ドル円の下支えになるだろう。ただ、シリア情勢緊迫化によるリスク回避の動きは一服したとはいえ、欧米諸国の軍事介入可能性が高く、シリア情勢の不透明感が続いていることは、ドル円の上値を圧迫する要因になりそうだ。シリアの化学兵器使用問題をめぐる対処について、米政府は国連の安保理決議がない場合、独自で決断し軍事介入に踏み切る可能性を示し、英政府はシリアに派遣されている国連調査団の調査終了を待ってから最終判断を行う方針を固めたもよう。シリア情勢への警戒感が継続し、来週に米雇用統計を控えていることで、積極的な取引は手控えられる可能性は高い。