本日の見通し(為替) 次期FRB議長材料意識も、目先はFOMC重視

2013年09月17日 08:07

 昨日のNYタイムでは、ドルの巻き戻しがやや優勢に。NY序盤は、さえない米経済指標の結果を受けて、週明けのアジアタイムからのドル売りの流れが継続した。本日発表された米9月NY連銀製造業景況指数は、市場予想の+9.10を下回る+6.29となったほか、同8月鉱工業生産や同8月設備稼働率も市場予想を若干下回る結果となった。米長期金利が2.775%付近まで低下するなか、ドル円は売りが先行したほか、ドルストレートでは、ドル売り・他通貨買いが強まった。しかし、NYタイム序盤のドル売り先行後は、17-18日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えるなか、ドルの巻き戻しが優勢となった。FOMCで量的緩和(QE)縮小幅が100億ドル程度の小幅にとどまるとの思惑が強いとはいえ、QE縮小開始が決定されるとの見方が多く、こうした環境では一方的なドル売りも進みにくかったようだ。
 東京タイムは落ち着いた動きとなるか。昨日は敬老の日の祝日で東京市場が休場となり本邦勢が不在で取引参加者も細っていたが、本日は本邦勢が戻ってくることから流動性が回復してくる。よって「サマーズ元米財務長官の米連邦準備制度理事会(FRB)議長の選考を辞退」との昨日の動意材料に対する本邦勢の反応にまずは注目しておきたい。また、この材料を受けて欧州・米国株が軒並み高となった流れから、日経平均をはじめとしたアジア株の動向にも注視しておきたい。しかしながら、次期FRB議長の選考レースは確かに注目しておく必要があるが、目先は本日より開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)での米量的緩和(QE)縮小の有無と縮小であればその規模がメインテーマであることは変わらない。そういった意味では、昨日の為替相場においてドル売り先行ながら結局は「いって来い」の様相になってしまったことを踏まえれば、次期FRB議長に関する材料はいったん棚上げしてFOMC見極めからポジション調整主体の動きに大きく移行してくる可能性はあり得そうだ。なお次期FRB議長に関しては選考辞退を表明したサマーズ氏は市場ではタカ派として知られ、対抗として有力視されているイエレンFRB副議長は景気・雇用を重視するハト派との認識で、サマーズ氏の選考辞退とともに今後のQE縮小ペースが意識されドル売りが先行していた。
 本日の東京タイムの材料は乏しいものの、9月開催分の豪準備銀行(RBA)金融政策決定理事会議事録が公表される予定となっている。先のRBA理事会の声明においては「先行きの緩和含みの状況は変わらないが『緩和』という文言自体がなくなっていたことは重要」(本邦証券筋)との声も聞かれていたことから、内容については注視しておきたい。