本日の見通し(為替) 様子見も、29日からのFOMC注視へ
2013年10月25日 08:20

昨日のNYタイムの為替相場は方向感に欠けるも、やや欧州通貨高・資源国通貨安が進んだ。ただ、手がかりになりそうな材料も少ない。注目の米9月雇用統計の発表を通過し、来週に米連邦公開市場委員会(FOMC)理事会を控えていることもあり動意は限られた。NYタイムで発表された米新規失業保険申請件数は、市場予想を上回る35.0万件。米9月雇用統計に続き、新規失業保険申請件数もさえない結果となったが、為替相場の反応は薄かった。関連市場では、米量的緩和の長期化観測を背景に低下基調が続いた米長期債利回りの下落は一服し、ダウ平均は反発した。また、カーニーBOE総裁の「成長軌道に乗るまで刺激策をやめない」、「下期は上期より強い景況を予想」などの発言が伝わったが、こちらも為替相場への影響は限定的だった。
本日の東京タイムは週末相場の様相となるか。ここ数日で浮上してきた中国の金融引締め観測にともなう金融システム不安の想起といった材料に関しては引き続きリスク要因として意識される節はあることから、本日についても中国の短期金利ならびに株価動向といった部分に関しては注目しておきたい。ただし市場関係者の中からは「中国当局は金融市場に動揺が広がれば、必要に応じ資金供給を通じて混乱を収束させるとみており、一過性のものにとどまる可能性が高い」との見方も複数聞かれていることから、メインテーマとなり相場を動意づかせるまでの材料にはなりにくそうで、あくまでも米国の金融政策の動向を中心に据えての展開が継続しそうだ。また来週29-30日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控える中で様子見ムードも広がりそうなことから、東京タイムに関しては前述した通り中国リスクには引き続き警戒しつつも、週末要因やイベント待ちから様子見ムードも広がってくることを想定しておきたい。相場が大きく動意づくとすれば欧州勢の参入以降になりそうで、昨日に続き本日も独主要経済指標の発表が控えているとあって、節目となる1.38ドルの大台に乗せ、2011年11月以来の高値水準を示現したユーロドルの動向をはじめユーロ相場については注視しておきたいところではある。
