本日の見通し(為替) 動意は限定的か、市場の注目は来週のFOMCへ

2013年09月13日 08:02

 昨日のNYタイムは米債金利の低下を受け、ドル売りが優勢だった。NY入りにかけ発表された米新規失業保険申請件数は市場予想の33.0万件を大きく下回る29.2万件となり、発表直後は一時ドル買いが先行した。しかし、発表元の米労働省が、今回のデータは2州でシステム改良作業のため申請が処理仕切れなかった影響であることを明らかにした。これを受けてドル買いの巻き戻しが入り、いったん上ぶれていた米10年債利回りがむしろ低下基調を強める結果に。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で量的緩和(QE)の縮小が決定されても額が100億ドル程度の小幅な水準にとどまるとの思惑も米債金利の低下につながっていたようだ。
 東京タイムは週末相場の様相となるか。本日は実質ゴトー日(5・10日)となることから、仲値にかけてのドル需給といった部分に関しては注目しておく必要がありそうだが、本邦証券筋も「マーケットの注目は来週開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)に移っている」と述べているように、重要イベントを控えるなかで材料に欠ける東京タイムでは動きにくさがうかがえる。またFOMCを占う上で注目される米国経済指標について、NYタイムには米小売売上高やミシガン大学消費者信頼感指数・速報値などの発表も予定されていることから、なおのこと東京タイムでの積極的な売買は手控えられるかもしれない。ただ、昨日は海外タイムもさることながら東京タイムでも時間外取引ではあったが米債利回りの低下がドル円の重しとなっていた部分もあり警戒したいところで、また日経平均をはじめとしたアジア株の動きにも注視しておくべきだろう。
 値動きとしては、ドル円は昨日99.00円まで下落したが、同水準には実需筋をはじめとした厚めの買いオーダーが控えているが、同水準を割り込むとストップロスの売りが複数観測されていることから、次の厚めの買いが控える98円半ばまでは短時間で進む可能性があることには留意したい。