本日の見通し(為替) 中国輸出入の伸びに注目、円高リスクあり

2013年07月10日 08:16

9日の為替市場では、欧州通貨が軟調に推移した。米量的緩和の年内縮小観測によるドル高圧力があるなかで、英鉱工業生産が弱く、ポンドドルは2010年6月以来の水準となる1.4812ドルまで下げた。ユーロドルは1.2755ドルまで下落。アスムセンECB理事が「ECBのフォワードガイダンスは12カ月を超える」と発言し、ECBの低金利政策の長期化が意識されたほか、格付け会社S&Pが伊格付けを「BBB+」から「BBB」へ引き下げたことが圧迫要因。一方で、オセアニア通貨はしっかり。NZ住宅価格の上昇を受けてNZ利上げ観測も台頭しつつある。クロス円は欧州通貨安・資源国通貨高のなかで強弱まちまち。ドル円は101.00円を挟んで方向感が乏しかった。

ドル円はドル主体で底堅い展開が継続しそうだ。本日から行われる日銀金融政策決定会合はあまり手がかりにならないと想定され、米量的緩和の年内縮小見通しによるドル高基調がドル円を支えると思われる。ただ、本日は6月の中国貿易収支の発表が予定されており、輸出入の拡大・縮小で同国の景気減速懸念が煽られそうだ。収支そのものよりも輸出・輸入の金額や伸びに着目したい。場合によっては戻りの弱々しい上海総合株価指数が圧迫されると想定され、リスク回避の円買いが優勢となるだろう。

材料視しにくい結果ならば、NYタイムに予定されている6月18-19日分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録やバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の講演に対する注目度が高いため、静かな展開となるのではないか。先月のFOMCやFRB議長の会見で、米量的緩和の年内縮小観測が高まった経緯がある。なお、本日は実需の決済が集中するゴトー日(5・10日)であり、仲値前後にかけてのフローにも一応目を向けておきたい。